ニンニクとショウガの風味がガツンとくる中津の唐揚げに悶絶

「中津の唐揚げ」と「とり天」、そして〆の「とりめしおにぎり」をオーダー。出てくるまでの間は大分県人らしく「かぼすハイボール」をチビチビやりながら待ちます。お通しで出てきたのは小松菜のナムル。このお通し、筆者は最初に箸を付けなかったのですが、これがあとで生きてくるとは予想していませんでした。

さて数分待つと、まずは中津の唐揚げのお出まし。ニンニクやショウガの香りがグンと迫ってきます。うん、中津からあげによくあるあの香り。「はよう食べんね!」と大分の方言で追い立てられるような錯覚を感じつつガブリ。衣がサックサク。ニンニク、ショウガ、そして一味の風味がガツンと迫ってきます。味が濃いめで、お酒のアテにもごはんのおかずにもいけそう。ニンニクの香りがノドから鼻にかけて抜けていく感覚がたまりません。

次にとり天。これも大分の名物料理ですね。最近は首都圏で提供するお店が増えました。やや大ぶりなとり天で、肉の旨みが強い! そのため、そのまま食べても美味しい。つゆを付ければ優しい酸味が加わって、より爽やかな味わいに変身します。
ここで先ほどの小松菜のナムルをひと口。さっぱりとした味で揚げ物のあとの口直しにぴったりです。これで舌がリセットされて、からあげもとり天もさらに箸がすすんでしまいます。胡麻の風味もよく、これはお通しにしておくにはもったいないほど。う~む、待っている間に食べてしまわなくてよかった!

そして〆は「とりめしおにぎり」。九州の人には「かしわおにぎり」と言ったほうがなじみ深いかもしれませんね。いわゆる鶏の炊き込みごはんをおにぎりにしたものですが、これが何とも郷愁をそそる味。筆者も幼いころからよく食べていました。子どもの時分はみんな大好きなおにぎりで、子ども会などの集まりではお母さんたちが作ってくれていました。白飯おにぎりと一緒に出されると、このとりめしおにぎりだけがあっという間になくなるのです。
そのほか、メニューには「きびなご刺し」「からし蓮根」「ハトシ揚げ」など、九州人はもちろん、九州を旅したことのある人なら懐かしくてたまらない料理がズラリ。デザートには「長崎カステラ」や鹿児島名物「しろくまプリン」の文字も! もう、このお店に下宿させてください! と言ってしまいたくなります。お酒は鹿児島や宮崎の焼酎のほか、福岡や大分の地酒もあります。九州の空気にひたりつつ、からあげで一杯やりたいときにおすすめのお店です。
●SHOP INFO

店名:九州旨かもん旨か酒 くすお 新橋店
住:東京都港区新橋2-5-6 大村ビル1F・B1F
TEL:050-5266-0482
営:15:00~24:00
休:日・祝
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。