絶対ハズさない東京土産はコレ! 『うさぎや』の“どらやき”が絶品すぎる理由

大正2年創業の老舗! 安心の美味しさを伝える

上野広小路から徒歩約4分。暖簾の上の“うさぎ”が目印
上野広小路から徒歩約4分。暖簾の上の“うさぎ”が目印

『うさぎや』の創業は1913年(大正2年)。創業者・谷口喜作氏は当初、西洋ロウソクを生業としていたそう。しかし、偶然知り合ったお菓子屋の人に感化され、上野で職人を集めて和菓子店を開店。「喜作最中」を販売したのが始まりでした。

『うさぎや』という店名は、初代が兎年だったことから名付けられました。実は現在の4代目・拓也さんも兎年で、“うさぎ”には縁があるようです。

 そして昭和初期、2代目が作ったのが「どらやき」です。「1個でお腹いっぱいになるもの」として作られた“どらやき”は当初、“きんつば”のように皮と餡が一体化したものだったといいます。しかし、時代の移り変わりによって形も味も変わり、今では看板商品として絶大な人気を集めています。

大きくて、もっちり。昔ながらのどら焼き

1個205円(税込)
1個205円(税込)

 一度食べたら忘れられない美味しさ。その美味しさの秘訣とは何でしょうか? カステラのようなふんわりとした生地(皮)に包まれた「どらやき」は、どこか懐かしく、食欲をそそります。

 滑らかな皮にはレンゲのハチミツを加えており、モチっとしていながら歯切れがいいのが特徴。餡は北海道十勝産の小豆を使った粒餡で、2晩寝かせて味をなじませ、できたての皮にはさんでいます。

 一口食べると、皮の間からとろりと餡がこぼれでてきます。この瑞々しい餡が、とにかく美味しい! 懐かしい甘さがありながら、後味はスッキリとしています。

『うさぎや』ではこのやわらかさ、とろける味わいをそのまま堪能してもらうため、日持ちのしない“生菓子”にこだわっています。だから賞味期限は2日。「出来立てを販売しているので、なるべく早い時間に食べてもらうのが一番、美味しいですよ」と話すのは4代目の谷口さん。

「日持ちしないものを作るのは大変…。でも、変わらない美味しさを届けるため、売るときも賞味期限を守ってもらえるように細心の注意を払っています。それが、店の看板を守ることにつながりますから」。これだけ人気がありながら、店舗を増やさないのはこの為。そんな店の真摯な姿勢と飽きのこないやさしい味わいこそ、長く愛され続ける所以なのでしょう。

「喜作最中」は焼いたり、“しるこ”にしても美味

1個105円(税込)
1個105円(税込)

 ついでに『うさぎや』の原点といえる「喜作最中」もいただきました。こちらは文人にも愛された名品で、中央には創業者・喜作氏のかき判が記されています。この半月のような形は、ウサギが丸まっている様子なんだとか。連想しただけで、ほっこりとした気分になりますね。

 最中は歯切れのいい焦がしの皮に、漉し餡をはさんでいます。蜜漬けした大納言を少し散らしてあるので、食感もいいんです。賞味期限は販売日より5日で、お土産にも喜ばれること請け合いです。「最中の皮が乾いてしまったら、火鉢やトースターなどで焼けば、一層香ばしい味わいを楽しめます。“おしるこ”や“懐中しるこ”もいいですね」(谷口さん)

 最中ひとつでも、いろんな楽しみ方が広がります。それこそ、昔ながらの和菓子の素晴らしさ。先人のように自分なりの美味しさを追求するゆとりこそ、現代人に必要なことかもしれません。

(写真・文◎草地麻巳)

●SHOP INFO

うさぎや

東京都台東区上野1-10-10
TEL:03-3831-6195
営:9:00~18:00
休:水曜
※どら焼きを購入する場合、16時以降来店の場合は要予約