ほのかな緑が美しい「グリーンアラスカ」

最初にご紹介いただいたカクテルは「グリーンアラスカ」。リキュールの女王とも呼ばれる「シャルトリューズ」の「ヴェール」に、ジンは「NO.3 ロンドンドライ・ジン」を合わせたカクテルです。
「アルコール度数はマティーニより高いですが、すーっと入って薬草酒の爽やかな味わいが楽しめます。ちょっと体のことを気遣う、銀座のママにも人気のカクテルですね」(山崎さん)。
『バー・ゴヤ』では、空気を含ませる作り方により、香りを立たせ、口当たりを柔らかく仕上げています。「シャルトリューズ」のほのかな苦味と香りがふわりと漂い、強いけれどスッキリとした美味しさです。
フルーティなザクロの味わいが魅力的な「ジャックローズ」

2杯目は「ジャックローズ」。深みのある緋色が印象的なカクテルです。「通常は、りんごのブランデーにフレッシュライムとグレナデンシロップで作りますが、冬季はフレッシュなザクロの実を入れています」と山崎さん。
甘みと酸味のバランスが絶妙、男性にも女性にも好まれるフルーティな味わいのカクテルです。
さりげなく頼むと大人感アップ「フレンチ75」

ときには意中の女性と一緒にバーに行く機会もあるはず。そこで、女性同伴の男性が、粋に見えるカクテルを聞いてみました。
「それならフレンチ75ですね」と即答する山崎さん。「フレンチ75」はシャンパンとドライジンを合わせたカクテル。名前の由来はフランス軍が採用していたM1897 75mm野砲で、第一次世界大戦の時にパリで生まれたカクテルです。これは、女性がグラスシャンパンを頼んだ時に、一緒にオーダーするのが粋だそうです。
「お連れの女性が、グラスシャンパンを頼んだときに、バーのシャンパンボトルが一本開いたことに配慮して”じゃあ僕はフレンチ75で”と頼むと、バーテンダーにこの人わかっているな、と思ってもらえるカクテルです」(山崎さん)
バーのバックグラウンドにまで目配りできる、まさに粋な大人の魅力を感じさせます。
神戸生まれのロングカクテル「ソル・クバーノ」

4つめは日本生まれのカクテルを。「ソル・クバーノは神戸にある『サヴォイ北野坂』の木村氏が考案したカクテルで、ラム、グレープフルーツ、トニックウォーターを合わせたカクテルなんですよ」(山崎さん)。
ラムにグレープフルーツで、トロピカルなカクテルなのに日本生まれ。ちょっと意外です。
「口当たりがよく人気のあるカクテルですね。バーに詳しいお客様がよく注文するカクテルの一つです。少し喉が渇いている時にこれを頼むといいですよ」(山崎さん)。
1980年開催された、第1回トロピカルカクテルコンテストで1位に選ばれ、その後日本中に普及し、今ではスタンダードカクテルとなった「ソル・クバーノ」。いつか神戸の発祥の地にも行ってみたいものです。
葉巻とともに味わうべき!?「チャーチル」

最後の1杯はスコッチ・ウイスキーをベースにしたカクテル「チャーチル」。ロンドンにある高級ホテル「サヴォイ・ホテル」のアメリカンバーで、イギリスの政治家、ウィンストン・チャーチルへの敬意を表すために創作されたカクテルです。
「ダンディズムあふれ、男っぽいカクテルですね。銀座で一人でこれを飲んでいると、渋くてかっこいいと思います」(山崎さん)。
スコッチウイスキーに、ホワイトキュラソー、ライムジュース、スイートベルモットを合わせて作るカクテルで、甘みと酸味のバランスが完璧。コニャックベースのカクテル「サイドカー」に通じるものがあります。
もしバーに置いてあれば、葉巻と一緒に嗜むのもアリ。シガーをくゆらせながら、ゆっくりとカクテルの深い味わいを堪能しましょう。

『バー・ゴヤ』は16時オープン。なので夜出かける前の軽い一杯や、待ち合わせ、0次会の場所として利用するのもおすすめ。銀座に数多くあるバーの中でも、特にシェリーが充実しているので、シェリーを飲み比べしたい、という人にもぴったりです。
銀座のバーというだけで、敷居が高いと感じるかもしれませんが、そこには洗練された「本物のカクテル」があります。早めに仕事が終わった夜、ちょっと銀座まで足を伸ばして、珠玉のカクテルを楽しんでみませんか?
(撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:バー・ゴヤ (BAR GOYA)
住:東京都中央区銀座6-4-16 花椿ビル 2F B2号
TEL:03-6264-5583
営:16:00~24:00(L.O.23:30)
休:日曜、祝日(連休の場合不定休、詳しくはHPで確認を)
※税・サ10%別