フワトロかき玉子のタンタンメンの味は?

平日の昼間、五反田駅界隈に降り立つと、ビジネスマンたちが続々とオフィスから出てきて、ランチを目指し移動中。彼らの会話の中で「ニュータンタンにする?」というフレーズを耳にしました。後をついていくと、案の定、『元祖ニュータンタンメン本舗 五反田店』に着き、他からも集まってきた男性陣が入っていきます。

メニューは、麺類が「タンタンメン」(830円)と「醤油ラーメン」(750円)の二択で、辛さの調節5段階と、トッピングが10種類ほど。ここでは、麺をお好みの味にして食べるのが普通のようです。壁にはトッピングの人気ランキングが貼られていました。

1位が「ひき肉ダブル」、2位が「にんにくダブル」
公式サイトで調べると、こちらの「タンタンメン」は創業者が、スタミナがつく料理を開発しようと、本場中華の坦々麺をアレンジし、豚ガラ塩味スープをベースにひき肉、にんにく、玉子を絡ませて粗挽き唐辛子でパンチを効かせたオリジナルの新しい坦々麺を作ったんだそうです。だから「元祖ニュータンタンメン」という名前なんですね。
今回は、「元祖」で「ニュー」な味がどんなものかを食すことが目的なので、トッピングはせずに最もオーソドックスな「タンタンメン」を注文しました。辛さは、「ひかえめ、普通、中辛、大辛、めちゃ辛」のうち、一番人気の「中辛」に。

登場した「ニュータンタンメン」は、赤いスープにフワフワのかき玉。表面は粗挽き唐辛子が浮かんでいて真っ赤ですが、下の方は透んだスープです。そこで下からレンゲですくいあげて飲んでみると、みじん切りのにんにく、ひき肉、かき玉が一体となって、舌には辛味と旨味がなだれ込んできます。刺激的というよりは、よく味わうと、非常にまろやかで、油っこさやくどさもない優しい味。さらに秀逸なのが自家製麺。表面がつるんとしていて、噛むと小麦の旨味もしっかり感じます。

まとめると、本場の四川の唐辛子と山椒でパンチの効いた「汁なし坦々麺」でもなく、陳健民が日本人向けに改良したまろやかな芝麻醤風味の「汁ありの坦々麺」とも一線を画す味。だからこそ「元祖」で「ニュー」なタンタンメンだということがよく分かりました。

カップ麺では、あんなにフワトロのかき玉は絶対に再現できないでしょう。また、固まった麺をお湯でふやかしたところで、あんなにつるんとモチモチの自家製麺になるわけありません。さらにカップ麺では、辛増しもできません。リアルなニュータンタンを食べて満足! お腹もいっぱい。
というわけで、帰りに寄ったコンビニで、再び、コラボカップ麺を目にすると、なんと、かなり食べてみたい気持ちに。絶対にさっきの方が美味しいとわかっているのに、お腹もいっぱいなのに、「どんなものなのか」と食べてみたくなるのです。食欲でもなく、知識欲でもなく、美味しいものを食べたい欲でもなく、何の欲なのか謎ですが、コラボカップ麺とは、心に余裕があったうえで買う商品なのかもしれません。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:元祖ニュータンタンメン本舗 五反田店
住:東京都品川区東五反田1-18-14
TEL:03-3440-3575
営:ランチ11:30~15:00(14:45 LO)
ディナー 18:30~24:00(23:30 LO)、金18:00~24:30(24:00 LO)、土祝18:00~22:00(21:45 LO)
休:日