もはやデカ盛りの無形文化財! 『神楽坂飯店』で2.5kgの神盛りチャーハンを食べてきた

もはや無形文化財! 2.5kgの神盛りチャーハンを『神楽坂飯店』で食べてきた
食楽web

 一説によると、大盛りファンの認識率100%、大盛りファンじゃなくても知っていて、飯田橋に通学・通勤していた人なら必ず覚えているであろう店…それが東京・神楽坂にある『神楽坂飯店』です。

 こちら、一般的には巨大餃子または餃子100個が有名な店なのですが、実は、チャーハンとラーメンも、大盛りメニューがあるんです。ということで、今回は、あえて餃子ではなく、チャーハンの大盛りに挑戦です!

店頭にあるショーケースにもある「一升炒飯」。左隣に写っているのが「ジャンボ餃子」のサンプル
店頭にあるショーケースにもある「一升炒飯」。左隣に写っているのが「ジャンボ餃子」のサンプル

 ちなみに「ジャンボ餃子」も「一升炒飯」も「ジャンボラーメン3杯」も、いずれもシェアが可能。1人で食べきるならチャレンジメニューとのこと。その心得は

1 遊び心で無理せずチャレンジできる方限定
2 60分以内に一人で完食すれば成功
3 チャレンジ中は席を立てません

 などなど6項目。前金制で、完食できたらお金を返金してくれるうえ、中国酒のプレゼントも。

 そもそも、なんで大盛りメニューを始めたのかを、店主の竹鼻さんに聞いてみると、「昭和42年ごろからやってるんだけど、当時の学生はお腹をすかせていた子が多かったからね。お腹いっぱい食べてもらいたくて始めたんですよ」とのこと。神楽坂・飯田橋エリアには東京理科大と法政大、日本歯科大、現在は専門学校もある学生街。昭和42年ということは1967年。つまり50年以上、大盛りを出し続けていることになります。まさにレジェンド・オブ・大盛りの店と言っていいでしょう。

「だからね、ここら辺の大学を出たOBが、懐かしがって挑戦することもあるんだよ。学生時代はできなかったけど、今なら挑戦できるって」と笑顔で話す店主。ちなみに、昔はチャレンジに失敗すると、支払いができず、学生証を代わりに置いていく学生さんも多かったとのこと。「なので今は前金制なんですよ」。

「一升炒飯」5840円。直径35cmの皿にドーン。一升イコール約1.5kg。スープ付き
「一升炒飯」5840円。直径35cmの皿にドーン。一升イコール約1.5kg。スープ付き

 店主に昔話を聞いているうちに、一升炒飯が到着。さっそく計測です。高さは約10cm、重さは2567g(器の重さを除く)。一升分のライスに具がプラスされてこの重さ。2567gなら、確かに腹ペコ体育会系学生ならいけそうな気がします。が、しかし、ラーメンどんぶりで出てくるスープも大量で、こちらも計測すると726g(器の重さを除く)。ということは、トータル3293g。約3.3kg。しかもスープは、お米をお腹で膨らます水分です。時間をかけて食べると後が苦しくなる、実はかなりの強敵です。

高さは約10cm。見た目のずっしり感がすごい。「いわゆるしっとり系だろうね」(店主)
高さは約10cm。見た目のずっしり感がすごい。「いわゆるしっとり系だろうね」(店主)

 ということで、店主の軽快なトークを楽しみつつ食べ始めます。いわゆる王道系チャーハン。具はチャーシューや卵、グリーンピース、ネギなど。初めてなのに懐かしい美味しさ。ほんのり香ばしさも感じます。ちなみに、オススメの完食方法を店主に尋ねてみると、「餃子とか、他のメニューを頼むことだね。大盛りはね、同じ味が続いて飽きちゃうから、餃子とか他のメニューと交互に食べると、飽きずに食べ切れるんだよ」とのアドバイスをいただきました。

 実際、おとな数人で注文した場合、最初はみんな食べきれないかも、と言っていても、他の料理と合わせて食べているうちに完食、というケースが結構多いそうです。「途中から、レンゲにとって、スープにちょっと浸して食べる、という人もいますよ」。なるほど。口の中の水分を持って行かれた時に、ちょっとだけスープにつけて味わうのはアリかもしれません。

ティースプーンみたいに見えるけれど、普通のサイズのレンゲ。エアーズロック? そんなことが頭をよぎるどっしり感
ティースプーンみたいに見えるけれど、普通のサイズのレンゲ。エアーズロック? そんなことが頭をよぎるどっしり感

 序盤は順調に食べ進み、山の4割ほど崩したところで、急に満腹感が襲ってきます。確かに、ちょっと餃子をつまみたい、麻婆豆腐の刺激が欲しい…という欲求が頭をよぎります。しかし、トータル3.3kgに、さらに追加で何かを頼むのはさすがに厳しいものがあります。

「うちは制限時間が60分と、長めに設定しているんですよ。でも、完食する人は、やっぱりスピード感が違うね。50過ぎている人でも、さっと食べちゃうね」と店主。

 ちなみに、餃子、ラーメン、チャーハンのうち、どれが一番難易度が高いのかを聞くと、「ジャンボラーメン3杯」(2250円)とのこと。神楽坂飯店ではスープも全部飲みきるのがルールのため、麺を完食できても、そのあとスープをどうしても飲みきれない、というパターンが多いそうです。

店主の竹鼻さん。ダンディーなおじさまです
店主の竹鼻さん。ダンディーなおじさまです

 ところで、10年以上前にジャンボ餃子に挑戦して失敗した人へ朗報です。最近のジャンボ餃子は、昔に比べて皮の厚さが1/5に改良されているそうです。分厚い皮に苦戦した経験をお持ちの方は、ぜひ再チャレンジを。ちなみに料金は9600円です。

 もちろん、ほかに通常のメニューも色々あります。最近では変り種のチャーハンや、週替わりの麺料理なども楽しめます。ちなみにこの日は、「黒ゴマ担々麺」と「チャーシューワンタン麺」がイチオシになっていました。寒い季節、あったまりそうなメニューですね。

 最近では、学生よりも、地方から大盛りを目指して食べに来る人が多く、胃袋を鍛えるために注文する、という人も多いとのこと。やはり、フードファイターになるには、この店を一度は通らなくては、ということですね。

 懐かしくて美味しくて、勢いで序盤はバクバクいけるものの、突然満腹になって、ああ~っ! という気持ちになれる「一升炒飯」。1人1品頼めばシェア可能なので、4~5人で行って、餃子やラーメンなど他のメニューをみんなでシェアしつつ、チャーハンの山を切り崩していくのがオススメですよ。

(取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

神楽坂飯店 外観

店名:神楽坂飯店

住:東京都新宿区神楽坂1-14
TEL:03-3260-1402
営:11:30~23:00(L.O.22:20)、月曜、土曜11:30~22:00(L.O.21:20)
休:日曜、2019年12月29日~2020年1月5日