ここからは最高の肉料理のオンパレード

ようやくここからはメインとも言える肉料理が続きます。まず目の前に出てきたのが、神戸牛のサガリの炭火焼き。これだけでも十分おいしそうなのですが、そこにフランス産トリュフをたっぷり載せてくれるんです。
醤油で漬けにした神戸牛のサガリを丁寧にローストしており、火入れの仕方は本当に絶妙。本来、サガリは血の味が強いので高級食材にはなりにくいのですが、職人技により上品な料理に仕上がっています。

続いて出てきたのが、神戸牛の棒鮨。神戸牛を昆布締めにすることで口当たりがなめらかになっており、牛肉というよりもまぐろのようなねっとりした食感に生まれ変わっています。横に添えられた紅芯大根の甘酢漬けも甘過ぎず酸っぱ過ぎず、ちょうどいい箸休めになります。

お口直しに出てきたのが、同店名物の酢橘(すだち)冷麺。輪切りのすだちの上にはシャーベット状になった出汁が載っていて、すだちと出汁のバランスが最高です。ツルッとひと口で食べられる量なのもいいですね。

ついにやってきたメインは、最優秀神戸牛のシャトーブリアンのステーキ。串に刺して炭火でじっくり焼き上げているそうです。まずは何も付けずに食べてみたところ、肉本来の旨みが噛むたびに口いっぱいに広がります。そしてめちゃくちゃ柔らかい! ステーキソースに付けると肉の脂の甘さが引き出され、塩やわさび、すだちで食べるとあっさりした味わいに変化します。

ここまでで十分、胃と心が満たされたのですが、追い打ちをかけるように出てきたのが、神戸牛と松葉ガニの出汁で炊いたごはん。さらに、漬けにした生卵と、牛肉で出汁をとった味噌汁、時雨煮、ちりめん山椒も出てきます。

ここまで最高の料理をいただいてきましたが、最後の最後に出てきたこのごはんもとにかく最高! 出汁がしっかり感じられるごはんだけでもおいしいのですが、卵かけごはんとして食べるとまた別の味覚が刺激され、お腹がいっぱいなはずなのにぺろっと食べてしまいます。
デザートにいただいた静岡産黒運メロンは完熟。甘い香りが特徴的な桂花烏龍茶との相性も良く、今日の食事の余韻に浸りながら「ごちそうさま」を言いたくなります。

最近は、東京にもカジュアルに楽しめる肉割烹も増えてきましたが、ここまで至れり尽くせりな肉割烹はそうありません。「3万5000円って高すぎるのでは?」と思いながら同店を訪れましたが、これだけのおもてなしを受ければその価格にも納得です。料理の内容や品数は仕入れにより変動するので、何度訪れても飽きないはず。特別な日に勇気を出してぜひ足を運んでみてください。
●SHOP INFO

店名:肉屋 田中 銀座
住:東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 9F
TEL:03-6280-6529(完全予約制)
営:17:00~23:00(20:30最終入店)
休:日曜
http://nikuyatanaka.jp
●著者プロフィール
今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好きで、フードツーリズムマイスターの資格も持つ。