チーズコンシェルジュに聞いた「北海道チーズ」の魅力とお酒の最強ペアリング

●赤ワインに合うチーズ

20170530-cheese04

チーズ工房アドナイの「タレッジオ・ディ・のぞむ」(上)820円/100g

 1994年にオープンしたチーズ工房。「オホーツク地方、興部町の風土に根ざしたチーズ作り」をモットーに、ヨーロッパの農家製チーズを忠実に再現している生粋のチーズ職人・堤田克彦さん。彼のチーズは、全国の料理人からも絶大なる支持を得ているものばかりだ。中でもウォッシュタイプの「タレッジオ・ディ・のぞむ」は、エッセイストの檀太郎も絶賛しており、ついには工房を訪れたというほどの魅力的なチーズ。

さらべつチーズ工房の「きまぐれブルー」(下)1650円/100g

 「百姓物語」というブランド大根を生産している農家、野矢敏章さんが13年前に開いたチーズ工房。乳酸菌を自家培養して作るチーズは日本ではかなり希少な上、またほぼ一人で手作りしており生産量も非常に少ないのが特徴だ。「きまぐれブルー」も、青カビ菌は乳、卵不使用のパンで自家培養し、更別村産の牛乳とじっくりと熟成させたもの。和を感じさせる食べやすさと、上質な旨味とコクのブルーチーズとして絶賛され、「十勝ナチュラルチーズコンテスト」で優勝した逸品。

‥‥‥‥‥‥‥

●白ワインに合うチーズ

20170530-cheese05

チーズ工房タカラの「春のおめざめタイム」(左)1940円

羊蹄山の麓にある「牧場タカラ」は、通年、放牧というスタイルで牛を飼っており、そののびのびと暮らす牛たちの濃厚なミルクを使って、チーズを作っているのが「チーズ工房タカラ」。「土地ならでは、牧場ならでは」のミルクの味を活かしたチーズを作りたいと、季節ごとに搾乳されるミルクの違いを見事に表現したチーズが好評だ。「春のおめざめタイム」は、コリアンダーシードに、フレッシュローズマリー、タイムの3つのハーブがたっぷり周りにまぶされたチーズ。ハーブの香りと、優しいミルクの風味、爽やかな酸味が爽やかで春~夏のイメージにピッタリ。

チーズ工房チカプの「シマエナガ」(右)1200円

北海道根室に2013年にオープンしたばかりの工房。東京で働いていた二人が、牧場を営む姉夫婦に「チーズ作り」を誘われて移住。放牧を中心にした牛から搾る乳は、夏は黄色が濃く木の実のように香ばしく、冬のミルクは白く風味が豊か。こうした季節ごとの味わいを生かしたチーズを作ることをモットーにしている。白カビタイプの「シマエナガ」は、牛乳にクリームを加えて作る濃厚なチーズ。熟成の若い時期、進んだ時期の変化も楽しめる。