1杯目は「ジントニック」で喉の渇きをすっきりと

「まず1杯目はジントニックをどうぞ」と佐藤さん。60~70年代に作られたジンがベースのジントニックは「オールドのゴードン特有のまろやかさと乳酸のような味わいを感じられますよ」とのこと。
そこまで聞いて一つの疑問が、古いお酒というと樽で熟成するもので、瓶では熟成しないのでは? と聞いたところ、「瓶の中でももちろん変化しますよ。おそらく、アルコールの角が取れて、こなれていくような感覚ですね」。なるほど。ビンテージのお酒の良さの一つですね。
ビターかつ柔らか、カクテルの王様「マティーニ」

ジン5、ベルモット1のバランスは、ゴクゴク飲むのではなく、少しずつ、ゆっくり味わうのがオススメと2杯目に出してくれたのは、マティーニ。1杯目で喉の渇きを癒した後、マティーニの深みのある味わいを少しずつ堪能することができます。
「ラングプールのジンで、柔らかく、かつ、シャープに作っています」(佐藤さん)。
3杯目はここでしか味わえない、ゴールドカラーの「モヒート」

樽熟成させたベネズエラ産のラムで作るモヒートは、グラスの金細工とも合うほんのり褐色のゴールドカラー。モヒートなのに、どこかふくよか、コクを感じる味わいです。ミントの青く爽やかな香りもしっかりきいています。
「一般的なモヒートは、透明で、クラッシュアイスがたっぷりで、暑い日差しの中、ゴクゴクと飲むイメージかもしれませんが、ここで味わうなら、ゆっくり腰を据えて味わうモヒートを」(佐藤さん)。
4杯目は「シングルモルト」でじっくりと

カクテルを味わった後は、オススメのウイスキーをストレートで。スコッチウイスキーのハイランドパークは、現存するスコットランド最北端の蒸留所で作るシングルモルトウイスキーですが、これも70~80年初期に作られたボトル。
「スモーキーかつフルーティで大麦の麦感もある、馥郁(ふくいく)とした味わいなので、ストレートで味わってほしいですね。ミュージシャンの方は、シングルモルトに詳しい方が多いんですよ」(佐藤さん)。
濃厚な甘さとほのかな苦味。イタリアの「リキュール」と葉巻を

最後の一杯として出してくれたのは、リキュール。ここには葉巻も置いてあるので、濃厚なリキュールと葉巻で、1人静かな時間を満喫するのが素敵な大人の嗜みです。
「イタリア・ボローニャのブトン社の薬草酒を。50年代に作っていたリキュールです。しっかりとした甘みと苦みのあるお酒は、葉巻と一緒に嗜むのもいいですよ」(佐藤さん)。
締めに葉巻なんて、今までなかなかできなかった体験です。ワンランク上の大人になった気分です。ほんのり苦いけれど甘み豊かなリキュールで、できる大人の優雅な時間、フィニッシュです。置いてある葉巻は全てキューバ産の高級品で1本1500円~。写真の葉巻は1本4700円になります。

今では入手困難なヴィンテージウイスキーを、美しいグラスで味わう。店内にはBGMはかかっていないので、遠くの席での囁く声や、佐藤さんが飲み物を作る音だけが聞こえる静かな空間です。ここは、大切な友人や恋人、尊敬する人など、大事な人といいお酒を交わしたい、または1人でゆっくりと時間を忘れて過ごしたい、という時に来たくなる店。ワンランク上の、大人の飲み方で心から寛げますよ。
(撮影◎島本絵梨佳 取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:bar cafca. (バー カフカ)
住:東京都港区南青山3-5-3 ブルーム南青山 B1F
TEL:03-3470-1446
営:15:00~24:00
休:火曜
※チャージ代1000円