マグロ好きなみなさ~ん、マグロは「赤身・中トロ・大トロ」の3種類だと思っていませんか? それはマグロのお腹の部分。マグロがあがる港では、頭や尾、内臓だって食べちゃうんですよ~。
ということで、都内では滅多にみかけない、マグロの希少部位を食べに向かったのは、マグロ料理と三崎の地魚が食べられる『くろば亭』。普段目にすることのない、珍しい部位を刺身はもちろん、煮る、焼く、揚げるなど様々な料理法でおいしく食べることができる、三崎の名物店です。
店に行く1週間前に電話をして「三崎でしか食べられない、マグロの珍しい部位が食べたいんですが」と聞くと「それなら、マグロの頭でいろいろ楽しむのがいいね。当日楽しみにしてください」と嬉しい返事。わくわくしながら店に向かうと、店頭には大きなマグロの頭がっ! いきなりのお出迎えです。
店内は平日にもかかわらずほぼ満席。次々とやってくる注文をこなし、ひと段落したところで、頭の解体ショーが始まりました。包丁を持ち、目の前でさばいていく3代目の玄太さん。通りがかりの小学生や観光で三崎に来た人などが、足をとめて、解体する工程を見ていくため、気づいたらちょっとした人だかりに。「土日は手が空いたところで店頭で解体しているんですよ」と玄太さん。土日はもっと、人だかりができるそうです。
あっという間にさばき終えてそれぞれのパーツに。ハチとはマグロの脳天、眼と眼の間の肉です。「眼は刺身がおいしいよ~」と店主の山田芳央さん。通称「おやじ」。えっ!? 眼って、刺身で食べられるのっ?
のどは色が濃く、血合いたっぷりでタウリンが豊富、眼はEPAが豊富など、頭の身の中でも、それぞれ特徴が違います。
「ハチ(うなじの部分)は中トロに近い味で、のどはマグロの馬刺しって言われているね。眼肉は脂がのってコリコリしているよ」と店主。早く食べたい! さらに興味が湧いてきました。
いよいよ皿に盛り付けられた「全部刺し」がテーブルの上に。中央にハチ、上から時計回りに骨のズイ、たまご(卵巣)、白子、眼肉、胃、のど、ホシ(心臓)。色も形も食感も全く違うけれど、みんなマグロ! しかも刺身!
ハチは確かに中トロに近く、ややネットリとした旨みを感じます。反対に白子はトロップリッ、胃はホルモンのような、ず~っと噛んでいたい感じ、たまごはもちろんホロホロ、プチプチ感があり、のどは濃厚な味わい。でも生臭さゼロ、フレッシュなレバー、といった感じです。すべて人生初めての部位の刺身。まさかこんなに味も食感も違うとは!
「他の店では出さない部位も、ウチは全部使うからね。背皮は料理に、腹皮はデザートに使うよ」と店主。え? デザート!? 実はマグロの腹皮からゼラチンを煮出し、デザートの材料にするそうです。すごいっ!
今回は頭の身をメインとした刺身の盛り合わせでしたが、くろば亭にはほかにも、「鮪あごステーキ」(864円)や、「鮪マーボ」(1,080円)、「鮪カルビ焼き」(1,080円)など、和洋中さまざまなマグロ料理があります。
「そもそも私の父親がマグロ船の船長で、マグロの神様と呼ばれていたんですよ」と店主。「世界各国を回って、内臓や心臓をバナナの皮で包んで焼いたものや、スパイスを使った料理とか。外地のマグロ料理をいろいろ食べて。そもそも”沖料理”は、マグロの船同士で交換するからね。そこで、中華、イタリア、フランス、エスニック、いろんな味を覚えたから、ウチの料理は無国籍料理なんだよ」。とのこと。
ちなみに店主のイチオシは「鮪キーマカリー」(1,080円)。キーマカレーの素にマグロを入れたんじゃおいしくない、マグロに合ったスパイスを調合して作るから、マグロの良さを最大限に活かしたカレーになっている、とのこと。
もし大勢で行くなら、マグロのカブト焼きもオススメです。その場合は3日前までに予約を。また、毎週日曜日朝5時から、三崎朝市会場にも出店しています。試食してからお土産を買うこともできますよ。
年末年始は休まず営業、2018年12月28~31日の4日間は店頭販売で、マグロの刺身や加工品をド~ンと販売! お得な商品が並ぶ予定。ということで、年末年始の休みのお出かけに、三崎でマグロ珍味三昧はオススメ。三崎だからこそ味わえる、珍しい部位、珍しい食べ方を楽しみましょう!
●SHOP INFO
店名:くろば亭
住:神奈川県三浦市三崎1-9-11
TEL:046-882-5637
営:11:00~20:00(LO19:30)
休:水曜(月1回火曜休み)※2019年1月8、9日は休み、2018年12月31日、2019年1月1日は18時まで