ここぞという時のパワーチャージ、はたまた頑張った自分へのご褒美か。大盛りごはんはいつだってテンションが上がる“元気の素!”
日本全国、さまざまなご当地カレーが存在するなか、横浜市磯子区の杉田にあるのが『バーグ』の「スタミナカレー」。杉田で生まれ育った、または通ったことがある人なら誰もが知っている超地元密着カレーで、杉田といえば『バーグ』と言われるほど、杉田のソウルフードでもあります。
そんなご当地カレーに1kgを余裕で越える「特盛」があると聞き、JR新杉田駅を降りて向かいにある「らびすた新杉田」にある『バーグ 杉田本店』へ。ランチタイムの混雑を外すべく、14時頃に行ったのにほぼ満席状態、人気のほどがうかがえます。
「スタミナカレー」とは、カレーの上にたっぷりの生姜焼肉、さらに卵がトッピングされたバーグオリジナルのカレー。頂上にのせる卵は生か目玉焼きかを選べます。ということで、「スタミナカレー(生玉子入り)」で、ライス1kgの「特盛」を注文しました。
もし激辛好きなら辛口調整オーダーもでき、5倍~30倍まで、5倍刻みで追加可能。(+100円)、トッピングも玉子60円、マヨネーズ110円、チーズ210円のほか、肉多め、ルー多め各260円などもあり、自分好みにカスタマイズが色々楽しめます。
待つこと数分、出てきたのは1kgのごはんの山全部をカレールーと豚バラ肉がおおい、頂上に生卵が乗ったワイルドなカレー。計測したところ、オーバル皿は縦26.5×横35cm。山の高さは約12cm、重さは1765g(器の重さを除く)。あと少しで1.8kgの大ボリューム。
レシピは創業時から変わらず、鶏ガラ、豚ガラでスープをとり、香味野菜や昆布などで旨みをプラス。厳選された数十種類のスパイスを独自の比率にて調合したカレーは、コクがあり、あとからくる辛さが癖になると評判です。豚バラ肉にも下味がついているので、やや硬めのゴハンと合う、しっかりとした味わいです。
さっそく一口! 見た目以上にコクと辛さがガツッときます。オーソドックスなカレーに生姜焼きトッピング、なんて思ったら大間違い! 濃厚な旨みのルー、そして程よく辛さの効いた味付けの豚肉と、ダブル攻撃でルーの下の白ごはんが進む!
確かにここにしかない味、そしてクセになる美味しさ。最初はまろやか、あとから辛さがブワッと襲ってくる、この波状攻撃にハマります。カレーの辛さと豚肉の脂の甘さ。そして卵のまろやかさ。食べ進めるうちにルーの辛さが口の中で重なってきて、じんわりと汗が噴き出してきます。
「特盛は1日1~2食ほどでますね。小さい人や痩せた人も完食していきますよ」とオーナーの吉澤さん。完食の攻略法を聞くと「ただ無心で食べてください」と笑顔。卓上には中濃ソースや一味唐辛子などが置いてありますが、濃厚な味わいなので、味変は考えないほうがよさそうです。
後半から最後にかけては、辛さがどんどん強く感じられるようになり、刺激がビシビシ口の中で暴れます。生卵、後半に残しておくんだった…。水の大量摂取はお腹が膨らむので、たとえ口の中が暴れまくっていても水で洗い流すのは我慢。最低限の水分摂取にとどめて食べ進め、やっと完食! カレーとはいえ、1kgのごはんと約0.8kgのルー&豚肉はドスッとお腹にたまる。大満足です。
「昔は交通機動隊の人たちがよく食べにきてね。先代の社長が、若い人に腹いっぱい食べさせたい、という気持ちから特盛が誕生したんですよ」と吉澤さん。
1974年にJR新杉田駅前にカウンター8席だけの洋食店としてオープンして45年。なので、幼少期や学生時代に通っていた人が何十年ぶりかに懐かしい味を食べに顔を出したり、親、子、孫と3代に渡って食べに来るなど、幅広い年齢層に愛されています。
横浜・杉田で45年もの間、愛され続けているカレーは、濃厚な旨みとしっかりした辛さの“大人カレー”。公称1.5kg超え、でも実際は1765gだった、デカ盛りファンにはたまらない特盛でした。根岸線に乗ったらついフラッと寄って食べたくなるかも、と思わせる、唯一無二、ハマる可能性大のカレーですよ。
(取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO
店名:バーグ杉田本店
住:神奈川県横浜市磯子区杉田1-1-1 らびすた新杉田 2F
TEL:045-774-8372
営:10:30~15:00(LO14:50)、17:00~21:30(LO21:20)、土日祝10:30~15:00、17:00~21:00(20:50LO)
休:月曜
※価格は2019年9月現在のものです