
飯田橋駅から徒歩5分、細い道に入ったところにある、香港スタイルのカフェ『香港 贊記茶餐廳』……まず店名が読めません。カタカナにすると「ホンコン チャンキチャチャンテン」。実はここ、リアルすぎる香港カフェとして、知る人ぞ知る店なのです。
そもそも、香港の「茶餐廳」とは、コーヒーや軽食を出す、昔ながらの喫茶店のこと。日本の“カフェ”ではなく“純喫茶”といったところでしょうか。その「茶餐廳」そのままの空間を再現したのがこの『香港 贊記茶餐廳』。茶餐廳と同じメニュー、カップなどで提供するため、リアルな香港気分を楽しめます。
中に入ってみると、お客さんはほぼ100%香港の人。留学生や仕事で長期滞在中の人たちが楽しそうに会話をしています。そしてスタッフも香港出身者ばかり。広東語がワイワイ飛び交っています。

メニューは広東語で書かれていて、その横や下に小さく日本語が書かれています。同じ漢字文化ですが、漢字だけでは読めない! わからない!
「蛋撻」⇒エッグタルト、「紅豆冰」⇒氷あずきミルク、「西多士」⇒フレンチトースト! 漢字だけじゃ想像力にも限界が。いきなり香港にいる気分にズボッとはまります。たとえ読めても発音はわからないので、メニューを指して注文します。

そんな、香港の「茶餐廳」で軽食として人気のメニューが「サテビーフ麺」。エビなど海鮮の「サテ」ソースとピーナッツソースを合わせたタレに、なんと出前一丁の麺! 香港では日本のインスタントラーメンの出前一丁は根強い人気があり、焼きそばや混ぜそばなどアレンジ料理もいろいろ。今の香港で人気があるメニューとのこと。

いざ食べてみると、ほどよいジャンク感がクセになるおいしさ! おやつや、夜食などで食べたい味です。最初は上にかかっているソースのおいしさ、あとから出前一丁のおなじみの味がふんわりやってきます。

そして、「香港式ミルクティー」と「エッグタルト」も。ミルクティーのこのカップ、「茶餐廳」は定番のカップで、BLACK&WHITE MILKの文字と牛のイラストは香港の人なら誰もが知っているデザインとのこと。
一口飲んでみると、濃い! 紅茶の味がしっかりきいたミルクティーで、カップが分厚いせいか、時間が経ってもなかなか冷めません。ゴクゴク飲むタイプではなく、ゆっくり、味わいながら飲むミルクティーです。

そして「エッグタルト」。厨房で作っている自家製のタルトは、ビスケット地の皮がサックサク、そして中のプリン部分は上品な甘さ。濃厚なミルクティーとの相性はバツグンで、さすが一番人気メニュー。黄金のバランスです。
ちなみにこのエッグタルト、テイクアウトも可能で、5個買うと1個おまけがついてきます。“5BUY 1FREE”の貼り紙にも、どこか香港らしさを感じます。

店内を何気なく見渡すと、おすすめのメニューが広東語で短冊に書かれています。左からランチョンミート&タマゴのサンドイッチ、タマゴサンド、パイナップルパン……。そして、下に書かれた記号は? スタッフの人に聞くと、中国の昔の数字とのこと。IIは2、Xは4、三は3、三の上に点がついていたら8、ということで、ランチョンミート&タマゴのサンドイッチとタマゴサンドは430円。エッグタルトは200円、となってますが、実際は税抜き204円の税込220円です。

スタッフの人たちも多少日本語がわかるのですが、基本的には勉強中。なので、わからないことを聞いていると、たまたま食事に来ていた香港からの留学生が、通訳をかって出てくれる……というケースも。助け合いのムードも漂う、アットホーム、ローカル感も香港らしさのひとつです。
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ここ日本だよね? と言いたくなるほど、リアル香港すぎる香港チャンキチャチャンテン。旅をしたいけれど、時間もお金もないよ~、という人はぜひここへ! 香港旅行気分にドップリ浸れますよ。
(取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:香港 贊記茶餐廳(ホンコン チャンキチャチャンテン)
住:東京都千代田区飯田橋3-4-1
TEL:050-5595-2328
営:11:30~23:00(LO22:30、ランチタイム~14:00LO、アフタヌーンティータイム14:30~17:00ぐらい)
休:なし