懐かしくて新しい「醤油らーめん」

着丼しました! 輝く醤油色のスープに手打ちの縮れ麺が浮き沈みし、中央には、極細のメンマ、ほうれん草、ネギ、そして豚バラと豚モモ肉2種類のチャーシューが載っています。麺は整然としているわけではないけれど、スープと出会ってまるで喜んでいるようにも見えます。いつもならスープからいただくところですが、思わず麺からズズッとすすってみました。「ひゃー、美味しい」

麺は硬めで、噛むとモチモチ、すするとツルツルとみずみずしい。1本たりとも同じ麺はなく、また1本の中でも厚みと幅が違うので、口当たりも舌触りも単調ではありません。スープの絡まり具合も変化に富み、楽しいのです。
スープは昔なつかしいラーメンの醤油味。しかも無化調というだけあって、とがった感じがなく、とても優しい味わいです。細切りにしたメンマも柔らかく、繊維感がないため、麺と一緒にスルスルっと食べられます。
さらに、着丼から少し時間が経ってくると、麺がスープをたくさん吸ってきて、食感が変わってきます。でも「伸びた」という意味ではなく、小麦の味がスープに溶け込み、旨みになるよう。知人たちが何度も通っている意味がよくわかってきました。このラーメン、毎日でも食べられそう!
夢中で食べていましたが、見回すと、お客さんは子どもからご年配の方まで幅広いことに気づきました。シンプルで懐かしくもあり、細部に凝った新しさもある「醤油らーめん」の味に、みんな夢中になっているのです。