【宮城グルメ】白石市で400年以上続く「白石温麺(しろいしうーめん)」とは?江戸時代の武家屋敷で絶品“手延べ温麺”を味わってきた

【宮城グルメ】白石市で400年以上続く「白石温麺(しろいしうーめん)」とは?江戸時代の武家屋敷で絶品“手延べ温麺”を味わってきた
15代続く吉見家の武家屋敷を改装した店舗『つりがね庵』

●宮城県白石市の名物「白石温麺」の魅力とは?

 宮城県白石市周辺で作られる乾麺「白石温麺(しろいしうーめん)」をご存知ですか? そうめんに似ていますが、長さが約9cmと短く、油を使わず小麦と塩と水のみで作るのが特徴です。

 誕生したのは江戸時代。当時、城下町に住む鈴木味右衛門という青年が、胃腸が弱く食欲のない父のために、何か良い食べ物はないかと探していました。

 そこへ旅の僧から油を使わない麺の製法を教わり、作った麺を父に勧めたところ、食欲と体調が回復。この話を伝え聞いた白石城主・片倉小十郎公が、「人を思いやる温かい心を持つ麺」という意味を込めて「温麺(うーめん)」と名付けたとされています。

株式会社きちみ製麺本社社屋・売店と『つりがね庵』
株式会社きちみ製麺本社社屋・売店と『つりがね庵』

 さて今回、白石温麺をいただくために訪れたのは、その白石市にある『つりがね庵』。場所はJR白石駅と白石城のちょうど中間地点、徒歩10分の場所にあります。

 こちらは、片倉小十郎公の家臣を務め、片倉家の旗印を持つ創業1897年の老舗『きちみ製麺』が手がけるお店で、2025年3月にオープンしたばかり。敷地内の工場で作る自家製の“手延べ温麺”を味わうことができます。

武家屋敷でいただく温麺は格別のおいしさ

「伝統の味 三種のたれで味わう手延べうーめん(めんつゆ/ごまだれ/くるみだれ)」1500円
「伝統の味 三種のたれで味わう手延べうーめん(めんつゆ/ごまだれ/くるみだれ)」1500円

 お店は江戸時代の武家屋敷を改装した建物で、風情たっぷり。いろりを囲み、座って窓辺でまったり食事をするのもよし。

 この日は、窓辺に座って手入れの行き届いたコケの庭をながめながら、「三種のたれで味わう手延べうーめん」と「おくずかけ」をいただきました。

「白石温麺」は、まずは、冷たい麺を三種(めんつゆ、ごまだれ、くるみだれ)でいただくのが鉄板の食べ方です。

「おくずかけ」1000円。宮城県の郷土料理の一つ。あたたかい白石温麺を味わうならこちらがオススメ
「おくずかけ」1000円。宮城県の郷土料理の一つ。あたたかい白石温麺を味わうならこちらがオススメ

 そして温かい温麺は「おくずかけ」でいただくのがおすすめ。おくずかけとは、宮城県の郷土料理の一つ。夏のお盆のころ、刻んだ夏野菜と豆腐、油揚げ、豆麩をだし汁で煮込み、白石温麺をいれ醤油味でとろみをつけたものをいただくのが習わしです。

まとめ

お土産も販売されています。「金印白石温麺(うーめん)」100g×4束(4食分)573円
お土産も販売されています。「金印白石温麺(うーめん)」100g×4束(4食分)573円

 白石温麺MAPを見ながら、地域のお店でお買い物を楽しんだり、温麺のお店の食べ比べもできます。白石市を訪れたらぜひ味わってみてください。

●SHOP INFO
つりがね庵
住:宮城県白石市本町46
TEL:0224-26-2484
営:平日11:00〜14:30(14:15LO) 土日祝11:00〜15:00(14:30LO)
休:第2・第3火曜、毎週木曜 ※臨休日あり
https://www.tsurigane.com/pages/tsuriganean

株式会社きちみ製麺
休:工場直売所:不定休 ※12月30日~1月1日、1月4日

●著者プロフィール

桔梗美紀
食文化案内人/地方創生食文化大使。フードアナリスト。地域の食と人のつながりを応援。五感と記憶をたよりに発信中。