フラミンゴを眺めて料理を楽しむ。昭和から愛され続けるちょっとシュールなレストラン『メヒコ』に行ってきた

フラミンゴを眺めて料理を楽しむ。昭和から愛され続けるちょっとシュールなレストラン『メヒコ』に行ってきた
食楽web

●フラミンゴがいるシーフードレストランとして有名な『メヒコ』に行って絶品カニピラフを実食してきました!

 生き物を観賞しながら飲食ができるスポットは、今や珍しくありません。一番わかりやすいのは、動物園や水族館に併設されているカフェ。大人向きの店なら、大水槽を設置したバーなんかも定番でしょうか。猛禽類や爬虫類、ウサギなど、生き物と直接触れ合える動物カフェも賛否両論ありつつ、需要は大きそう。

 しかし先日訪れたこの店は、それらと一線を画すガチさを感じました。それは、東北から関東の一部でチェーン展開している老舗洋食店『シーフードレストラン メヒコ』です。

 店舗はいくつもありますが、その中でもメヒコの象徴とも言える、フラミンゴ館(今回は茨城県ひたちなか市の「水戸フラミンゴ館」)へ行ってきました。知人たちによると「カニピラフがめっちゃおすすめ」というので、所要で水戸へ行ったついでに食べてみたくなったのです。

 メヒコを初めて知ったときは、なかなかの衝撃でした。なぜフラミンゴを眺めながら、魚介を食うのだろう……。フラミンゴの赤い羽根は、餌に含まれるカロテノイド(色素)の影響によるものです。だから同じく、カロテノイドによって赤くなったカニを食い、生き物の面白さに思いを馳せるのだろうか……なんて想像が膨らんでゆきます。

 メヒコがフラミンゴを展示しているのは、創始者が海洋漁業でメキシコを訪れた際、当時珍しかったフラミンゴの群れに感動したのがきっかけだと言います。それで動物園のような店を作っちゃう、行動力すごすぎ。

 1号店である『いわきフラミンゴ館』(福島県いわき市)の始まりは、昭和48年。当時でフラミンゴと言えば、TVアニメ『ジャングル大帝』のオープニングを思い描く人も多そうです。現在、数ある店舗でフラミンゴが展示されているのはいわき、郡山、つくば、守谷、水戸の4店舗(HPより)。他には大水槽が設置されている「水族館」店も営業中です。

フラミンゴカラーの可愛い外観で、入店前からテンションが上がる
フラミンゴカラーの可愛い外観で、入店前からテンションが上がる

 当日は水戸の駅周辺で納豆を物色するなど楽しんだ後、いよいよメヒコへ。冒頭の画像の通り、車から降りると、目の前にそびえ立つ店の外観がもう、フラミンゴカラー。なんてかわいい店なんだ。

店内は高級感のある雰囲気。ガラスの向こうが、フラミンゴエリア
店内は高級感のある雰囲気。ガラスの向こうが、フラミンゴエリア

 ラッキーなことに、通された席はフラミンゴエリア横。友人たちと、つい「(噂通り)ホントにいる~(笑)!」と、はしゃいでしまいました。

 店の中央に展示されている、フラミンゴの群れ。長~い脚のフラミンゴが、ワサワサしているぅ。ネットで事前に予習をしてあっても、目の前にそれが広がっている光景は、結構な衝撃でした。これは、大人でも楽しい! 

フラミンゴがガラスを隔てたすぐ向こうに来てくれると、やたら嬉しい。こんな形してるのか! と間近で見られる機会も、そうそうないので
フラミンゴがガラスを隔てたすぐ向こうに来てくれると、やたら嬉しい。こんな形してるのか! と間近で見られる機会も、そうそうないので

 まずは乾杯用に、メニューの中から「ピンクフラミンゴ」なるロゼワインを発見。イメージどおりほんのりピンクで、味はやや辛口。そしてさっぱり軽い飲み口ながら、香りは華やかです。

 この日は残暑の厳しい日だったこともあり、口あたりよくするする飲めてしまう。優雅な店内でフラミンゴを眺めながら飲むには最高の1本でした。

 食事をしながら時間が経つにつれ、徐々に店内は込み合ってきたので、確実にフラミンゴをかぶりつき席で見たいという場合は、予約したほうがよさそうです。

フランス産の自然派ワイン「ピンクフラミンゴ」。この店に来たら、頼まないわけにはいかなくなりそうなネーミングである
フランス産の自然派ワイン「ピンクフラミンゴ」。この店に来たら、頼まないわけにはいかなくなりそうなネーミングである

 そしてお待ちかねは、噂の「伝統のカニピラフ」です。真っ赤なズワイガニが殻ごとドーンとのっているのが、インパクト大! これが人気店「メヒコ」と共に歩んできた歴史あるピラフかと、うやうやしい気持ちがわいてきます。そうそう、カニはやっぱり単に身を食べるだけでなく、ほじくり出したり、殻にかぶりついてエキスを吸ったりするのも楽しい要素なんですよね~。

「伝統のカニピラフ」Sサイズ1848円、Mサイズ2068円、Lサイズ2398円(すべて税込み)。「殻付き」か「むき身」かを選ぶことができる。ほかにテイクアウトの折り詰めもアリ
「伝統のカニピラフ」Sサイズ1848円、Mサイズ2068円、Lサイズ2398円(すべて税込)。「殻付き」か「むき身」かを選べる。ほかにテイクアウトの折り詰めもあり

 ワクワクしながら食べてみると……米はしっとり、香りも大変に豊か! カニのうま味が米にしっかりしみ込み、上品で味わい深い。口内に広がる旨さを堪能しながら、フラミンゴの不思議なフォルムを眺めるひとときは、夢に出てきそうな濃い体験でした。先に頼んだロゼワインも、さらに進んでしまう。

もっとカニをたっぷり食べたい!というなら、カニの刺身やカニのステーキ、ブイヤベースなど、各種メニューが豊富
もっとカニをたっぷり食べたい!というなら、カニの刺身やカニのステーキ、ブイヤベースなど、各種メニューが豊富

 こっちもおいしい、これもイケる! と盛り上がりつつ、今のフラミンゴ見たー⁉ と話があっちこっちへ飛ぶ楽しさ。後日、いわき出身の友人に聞いたところ「地元ではみんな大好き。お誕生日とかちょっと特別な時に家族で行く」と言っていたのも納得です。

 また改めて、我が家の子どもも連れてきてあげたくなりました。「メヒコでお誕生会」という楽しい思い出づくり、ぜひやりたい。春と秋には赤ちゃんフラミンゴが生まれていることもあるという話で、そのタイミングに駆けつけるのも捨てがたいですね。

レジ横ではフラミンゴのぬいぐるみも売られているので、「フラミンゴを連れて帰る」もできちゃうのです
レジ横ではフラミンゴのぬいぐるみも売られているので、「フラミンゴを連れて帰る」もできちゃうのです

 長年愛される名店の実力を目で舌でたっぷり体験できた、大満足の時間でした。いくつになっても、こうした体験は楽しいものです。

おまけ

水戸と言えば忘れちゃいけない、名産品である納豆の存在。藁入り納豆もしっかり買って帰りました
水戸と言えば忘れちゃいけない、名産品である納豆の存在。藁入り納豆もしっかり買って帰りました

●SHOP INFO
メヒコ 水戸フラミンゴ館

住:茨城県ひたちなか市枝川1244
TEL:029-227-0808
営:11:00〜22:00(料理21時、ドリンク21時半LO)
※12/31のみ20時まで(19時LO)
休:無休

●著者プロフィール

ムシモアゼルギリコ
フリーライター。記事の執筆のほか、TV、ラジオ、雑誌、トークライブ等で昆虫食の魅力を広めている。昆虫食だけでなく、一般の食卓では見かけないような食材を追うのが好き。著書に『びっくり! たのしい! おいしい! 昆虫食のせかい むしくいノート』(カンゼン)、『スーパーフード! 昆虫食最強ナビ』 (タツミムック) 。