薄いカツの味わいとは?

熱々の薄いカツが5枚重なり合って
「ワセカツ丼」は、揚げたてのカツがご飯を覆い隠すように積み上げられています。その数5枚。
ただし、TVメシのリポーターが騒ぐような厚切りカツではなく、見たことがないほど薄いです。前述したように、カラッ、サクッはなく、特製のソースに浸されて、しっとりしています。5枚のカツの内訳は、薄いカツの中でも極薄の「うす」3枚、ちょい厚めの「あつ」2枚が入っています。

「うす」はびっくりするほど薄いです。目測で5mm程度なのですが、極めて細かなパン粉の衣をまとっていて、フルーティなソースに浸されています。でも、ペロンペロンのべちゃべちゃではなく、上の写真のように、シャキッとしています。
「あつ」の方は1cm弱。こちらも同様の繊細なパン衣ですが、「うす」よりは、若干どっしりとした貫禄を感じます。

「うす&あつ」のコンビの仕事っぷりに感激
この「うす」と「あつ」のコンビがじつにいい仕事をするんです。たった数ミリの違いなのに、食感も味わいもまったく異なるため、「こいつは“うす”だな、今度は“あつ”だな」などと思いながら楽しく食べることができます。
そして、どちらにせよ豚肉が薄いせいか、衣とお肉が寸分たがわずピタッと一体化しています。服でいえばジャストサイズ。ほら、普通のとんかつは、時々、衣がぶかぶかで、途中ではげ落ちて、豚肉だけを食べる羽目になることありますよね。「ワセカツ」はそういうことは一切ありません。
「うす&あつ」は、フルーティなウスターソースとキレのいい油が織り成す上品なソースダレが衣と肉にしっかりと浸みているのです。
さらに、丼の下、福井コシヒカリのご飯の表面にはその極上のソースダレが溢れ落ちているので、ご飯だけでも極ウマ!
「うすだ、あつだ、ご飯だ」と食べ進み、途中で辛子入りソースで味変したり、しみじみと味噌汁を飲んだりして、あっという間に完食。揚げ物を食べたくどさもなく、胃もたれなど微塵もありません。
