潮州料理の魅力がたっぷり堪能できる『楽口福酒家』

まずはこの店で外せないのが、前菜の「ガチョウのスライス盛り合わせ」(鵝片拼盤)。「鹵水(ローソイ)」と呼ばれる調味料で肉を煮込んだ料理です。ガチョウのさまざまな部位を中国のスパイスや醤油、動物系のダシなど、複雑なタレで煮込んであります。
部位によって、とろけたり、しっかりしていたり、くにゅっとしていたりと、ありとあらゆる食感が楽しめます。噛みしめるほどに旨味があふれ、潮州料理らしい巧みな味付けの妙を感じられる一品です。

4種の前菜の盛り合わせ(錦繡四拼盤)もテッパン。食べ応えのあるクラゲ、フワフワのエビのすり身揚げ、イカの冷菜など、どれを食べても思わず「ウマっ!」と声が出るほどの美味しさです。
また、大きなエビを揚げた「大エビの塩コショウ揚げ」(椒鹽大蝦)もこの店の人気メニュー。

カリッと香ばしく、かじるとエビの新鮮さが伝わってくるプリプリ食感。味付けがしっかりしているので、ビールが進んで止まりません。

汁物が欲しくなったら、「海苔と牡蠣の豚ミンチスープ」(紫菜蠔仔肉碎湯)がオススメ。潮州料理らしく、スープも魚介系のあっさりした味わい。あっさりしている分、牡蠣のコクと香り、旨みがじわりと響き、ホッとする一杯です。
そして「潮州焼きそば」(潮州炒麵線)も潮州らしさが楽しめる料理。広東式と潮州式の焼きそばの違いは、麺そのもの。潮州式は、麺をアヒルの卵で打つそうです。細麺で塩味。焦げ目が香ばしく、いくらで食べられます。

最後に、筆者が食べた料理の一覧を挙げておきます。香港に遊びに行って、『楽口福酒家』に行く際の参考にしてください。
①鵝片拼盤(ガチョウのスライスの盛り合わせ)
②錦繡四拼盤(前菜4種類の盛り合わせ)
③潮汕煎蠔烙(潮汕オイスターオムレツ)
④椒鹽大蝦(大エビの塩コショウ揚げ)
⑤豆醬炒蕃薯葉(さつまいもの葉と豆ソースの炒め物)
⑥雜菌炒雞球(キノコ入り鶏団子炒め)
⑦紫菜蠔仔肉碎湯(海苔と牡蠣の豚ミンチスープ)
⑧潮州炒麵線(潮州焼きそば)
⑨香蔥反沙芋(ネギタロイモの砂糖まぶし)
⑩透明水晶包(蓮の実ペーストとあずきのバン)
●SHOP INFO
楽口福酒家
住:九龍城侯王道1-3號地舖
TEL:23827408
営:11:00〜23:00
(撮影・文◎土原亜子)