こだわりの自家製スープと米線の旨さと食感はヤミツキになる旨さ

「米線(ミーシェン)」は、雲南省発祥のライスヌードル。もっちりとした独特の食感に「タピオカ粉でも入ってるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、材料は米と水のみです。もっちり感は、麺の製造過程で生まれるもの。

米を発酵させてから麺にするという通常の工程に加え、店ではお湯でもどした乾麺を、さらに冷蔵庫で一晩寝かしているのです。それによって生まれる、もっちもちの歯ざわり! 対して、口あたり&のどごしはツルッツル! 同じライスヌードルでも、フォーともビーフンとも全く違います。この麺を、風味豊かなスープとすするのは、ちょっとした快感と言えるでしょう。

注目のスープは「香り」「うま味」「辛み」を兼ね備えた完全オリジナル。6種の味からチョイスした後、辛さのレベルと麺の量、そして25種以上の具材から、好きなものを選んでいきます。ちなみに、お店の人にどんな出汁が使われているか聞いてみたところ、当然のごとく“企業秘密”でした(笑)。

筆者がまず、期間限定というレア感につられて食べたのが「チーズトマト米線(ミーシェン)」。麺は通常の量でもそこそこのボリュームがありますが、トマトスープの酸味とチーズのコクでツルツルと完食できてしまう、ヤミツキになりそうな味わいでした。具のチョイスによって野菜をしっかり食べられるのも嬉しいポイントです。「は〜、ウマい!」を何回繰り返しながら食べたでしょうか。
吉祥寺店では基本のクリアスープの米線を実食
![全スープのベースとなっている「クリア」(650円)。あっさりした優しい風味がじんわりと胃にしみこんでいく[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/10/31cc1c8b293a7858c60e5f7c3c12305a.jpg)
別の日に吉祥寺店を訪れた際には、最もシンプルなスープ「クリア」をいただいてみました。他のスープ全てのベースになっているという、基本の“キ”がコレなのです。具はシンプルかつ定番の味を求め、肉みそ、キクラゲ、パクチーをチョイス。トマトスープとはまた違う、優しく深い味わいに、これまた黙々と麺をすすり続けました。

なお、吉祥寺店は立地的に家族連れも多く訪れるそうですが、子どもはただでさえ麺好きな生き物。さぞかしよく食べてくれるだろうな〜と、ほほえましい想像をしてしまいます。

東京といえば、あらゆる国の料理が食べられる異国ごはん天国で、どの店もそれぞれの魅力を備えています。そんな中にあって、譚仔三哥は、ヘルシーでいてお一人様でもサクッと食べられる手軽さに魅力を感じました。まだ未体験という方、街歩きに疲れたらぜひお近くの譚仔三哥へ!
(新宿店・チーズトマト米線撮影◎工藤真衣子)
●著者プロフィール
ムシモアゼルギリコ
フリーライター。記事の執筆のほか、TV、ラジオ、雑誌、トークライブ等で昆虫食の魅力を広めている。昆虫食だけでなく、一般の食卓では見かけないような食材を追うのが好き。著書に『びっくり! たのしい! おいしい! 昆虫食のせかい むしくいノート』(カンゼン)、『スーパーフード! 昆虫食最強ナビ』 (タツミムック)