脳がバグる荒物屋のような蕎麦屋。福井・坂井市にある謎の店『たけうち』が面白くてウマい

荒物屋のような蕎麦屋で脳がバグりかける。福井・坂井市にある謎の蕎麦屋『たけうち』が面白くてウマい
食楽web

●福井県の坂井市三国町にある謎の蕎麦屋『手打ちそば処 たけうち』に行ってきた。

 書店に併設されたブックカフェとか、レストランだけどオリジナルの可愛い雑貨も売ってるお店……なんてのはよく見かけます。しかし、ホウキやビニール手袋、蚊取り線香なんかが雑然と陳列された、いわゆる日用雑貨を扱う荒物屋的な個人商店の奥に併設された蕎麦屋なんてあまり聞きませんよね。

外から見ると立派な蕎麦屋だが……
外から見ると立派な蕎麦屋だが……

 それがあるんですよ、福井県坂井市の三国町に。その名も『手打ちそば処 たけうち』。店名だけ聞くと蕎麦屋感がありますよね。手打ちそばって言ってるんですから当たり前です。そして店構えも蕎麦屋です。

 なのに店内に一歩足を踏み入れると、サランラップや入浴剤、紙コップやシャンプー、おろし金やフライパンなどが雑然と並ぶ荒物屋なのです。

 ここで、入店した人の脳は軽くバグることになります。

「えーと、買うものはなんだっけ? 蚊取り線香は去年のがまだあったよな。あ、ティッシュがもうなくなりそうだった。いや、そもそもオレ、何しにここに来たんだっけ……?」

 ブツブツ独り言を呟きつつ、夢遊病者のように店内を徘徊することになるのです。かなりアブない状態と言えるでしょう。

店に入るとこんな感じ
店に入るとこんな感じ

 ザ・家庭用日用品が収められた陳列棚を抜け、店の奥にズンズン入っていくと、その先に中に突然、テーブル席とカウンター席が見えてきます。とはいえ、脳はまだここが蕎麦屋だとは認識しません。

「あ、そうか。ここは商店でもあるが、住居でもあるのだな。つまりこのテーブルがあるスペースは、この商店を経営するご家族が食事するダイニングなんだろうな。勝手に入ってマズいことしちゃったな」などと思うわけです。

カウンターとテーブルが出現。お客さんもいるが、まだこの時点では蕎麦屋だとは確信できない
カウンターとテーブルが出現。お客さんもいるが、まだこの時点では蕎麦屋だとは確信できない

 しかし、カウンターの椅子の数の多さや、壁に貼られたメニューなどを見ているうちに、ようやく「あ、オレ蕎麦屋に入ったんだった」と思い出すのです。荒物屋から食事処へ。脳がやっと順応してくれます。そして「お腹すいた!」と空腹を思い出すわけです。