カツもカレーもどっちも美味な至極のカツカレー

カツカレー誕生時のエピソードを思い浮かべながら、さっそく実食です! こちらが「千葉さんのカツカレー」(ランチタイム2420円)。

どうですか、このボリューム! 国産豚ロース120gを使用しています。カレーソースは、創業者のレシピを受け継ぎ、たくさんのタマネギ、ニンジンを中心に、リンゴ、ショウガ、ミンチとともに煮込んでいます。たくさんの具材は溶け込んで一つになっている濃厚なとろみが、サクサク揚げたてのカツレツによく絡みます。

これカツレツだけでもおいしいし、カレーだけでもおいしいんです。「でももしかしたら両方合わせるとちょっと脂っこいかな、ヘビーすぎるかな……」とご心配の方! 安心してください。上質な豚肉に上質なラードを使っており、カレーソースは野菜たっぷりなのでしつこくなく、どんどん食べられます。そう、元祖カレーはもたれないのです。
シュウマイはもはや洋食! 銀座スイスが打ち出す新機軸

カツカレーは安定のおいしさですが、もう一つ、全力でオススメしたいのが「洋食屋さんのシュウマイ」(3個入り、750円)コロナ禍で誕生した比較的新しいメニューです。
洋食屋でなぜシュウマイ!? と、メニューの中でもひときわ異色の存在感を放っています。3代目ママの藤岡あけみさんは次のように説明します。
「『千葉さんのカツカレー』で使う上質な豚肉の端材を有効活用しようと、いろいろな商品を試行錯誤しました。豚肉のおいしさをストレートに味わえて、ビールのおつまみとしても合う料理、かつ揚げ物メニューは他にもあるのでこれまでにない蒸し物をやってみようということで、シュウマイが誕生しました。紹興酒を使うところはワインを使うなど、中華料理の食材は一切使っていません」

見た目は中華料理のシュウマイですが、一口食べてビックリ。しっかりと洋食のお味なんです。もともとカツレツ用の豚肉なので、ジューシーさは格別。タマネギは生と炒めたものと2種類を使っており、豚肉の旨みを際立たせています。さらに自家製ベーコンの風味がいいアクセントに。これは新感覚のシュウマイ。ビールはもちろん赤ワインにも合いそう。

銀座スイスは老舗ながら、こうした新しい試みに次々とチャレンジしているそうで、今夏からはなんと冷たいグラタンを提供するそうです。
「当店はグラタンも人気メニューですが、お客様には猛暑のなか来ていただくので、すぐにご提供できる冷たいグラタンをまずは召し上がっていただき、クールダウンしてから熱々のメニューも召し上がっていただきたいという思いがありました。昨年から試作を繰り返して、おいしいグラタンができました」と藤岡ママ。

メニューの裏面にも店内にも、創業時からの「スイス5つのお約束」を掲げており、大切に守り続けているそうです。そのうえで時代の流れに合わせて、シュウマイや冷たいグラタンを新メニューに加えたり、コロナ禍を経てほとんどのメニューをテイクアウトを可能にするなど、新しい試みをしている銀座スイス。これからもどんなメニューが登場するのか楽しみですね!
(取材・文◎松みのり)