
会社員・ニボ男(仮名・41歳)さんはラーメンオタク(通称:“ラオタ”)の中でもとくに“煮干しそば”中毒者“ニボラー”のひとり。休日を利用して「煮干しそば」の名店を食べ歩いているそうです。そんなある日、なかなか行けずにいた東京・本郷の『麺屋 ねむ瑠』に「本日いざ出陣!」と熱く宣言してきたので、同行させてもらうことにしました。

ニボラー心を惑わすラインナップ!
「12時前から14時くらいまでは並ぶみたいですよ」というニボ男さんの情報をもとに、その時間帯を外して訪れたのは平日・夕方18時すぎ。狙いどおり、すんなりと入店できました。
ところが券売機を目の前にして、なぜか悩むニボ男さん。こちらの基本メニューは「濃厚 烏賊煮干し中華そば」と「赤鶏と蛤の淡麗中華そば」です。当然ながら前者を選ぶと睨んでいたのですが……
ニボ男「濃厚と淡麗、どちらもブランド煮干し“伊吹いりこ”を使っているんですよ。濃厚は烏賊煮干し、淡麗は今流行りの鶏油(チー油)にハマグリ。煮干し好きとってはこうした合わせ妙技をどちらも味わってみたいんです」
そんなもんか、と聞いていたら、さらに被せるように彼の悩みは続きます。
ニボ男「それだけではないんですよ。ほら、濃厚・淡麗それぞれに醤油味と塩味の2種類があるでしょ。つまり4択。烏賊煮干しや蛤だけでも魅力的なのに、こんなにニボラー心を惑わす“魔性のお店”はなかなかないです」

しかし、煮干し初心者の筆者は、「淡麗、醤油で」とあっさり決めると、ニボ男さんは「では、僕は濃厚の醤油にします」と決断。それぞれ煮卵入りをチョイスしました。
ようやく彼の悩みが解決したと思ったら、まだ何かを迷っている様子。
聞けば「替え玉にするか、あられご飯にするか」で悶々としていることが判明。確かにラーメン屋さんで「あられご飯」というのは珍しいのですが、後客が入店してきたので「今日は替え玉だけにしてください」とお願いしました。

カウンターの卓上に変わった調味料が並んでいるのが目に入ります。赤いキャップが「能登産の烏賊の魚醤」、白いのが「穀物酢」、瓶壺はオリジナルの「日本山椒のピュアオイル」。後ろにあるのは「ホールスパイスの黒胡椒」。
ニボ男「1つ1つの調味料にもこだわりがあるようです。味や香りの変化をお客さん側で自由に楽しんでもらうようにという心遣いを感じて、いただく前から嬉しくなります」
ニボ男さんは、着席しただけでうっすら笑みを浮かべています。そして、注文した中華そばが着丼しました!