
●うどんマニアが絶賛する東京・中野の『うどんや大門』に突撃! 一体どんなうどんが味わえるのか、実際に食べてレポートします。
讃岐うどんの本場といえば、香川県。その香川県のうどんを食べ歩き、さらに自分でもうどんを打つという“超うどん好き”の知人A氏。その彼がこれまで食べた中で一番旨いという店を筆者に教えてくれました。それが、東京・中野にある『手打讃岐 うどんや大門』というお店。
A氏曰く、「ナイショにしておきたかったんだけど、最近、都内のうどん好き連中に美味しいことがバレて、最近はいつも開店前から行列している」と言うのです。そこから、延々と熱く大門のうどんの魅力を語るA氏。その熱量だけで特別感は伝わってきましたが、百聞は一見にしかず。さっそく行ってみることにしました。

『うどんや大門』があるのは、サブカルの聖地として有名な複合施設『中野ブロードウェイ』の地下1階。筆者が店頭に到着したのは午前11時20分。店前には12人の行列ができていて、中を覗けば、カウンター6席は満席の状態でした。
行列の最後尾(13番目)に付いて観察していると、行列の先頭者のところにお店の方が注文を聞きにきて、カウンター席が空いたら、座るというシステムのようです。ちなみに、店先にメニューが置いてあり、それを見ながら待ちます。

今回、筆者が注文したのは、「かけ」。うどんの量は小(200g・450円)で、寒くなってきたので温かいうどん(あつあつ)にしました。また、トッピングに「鳴門わかめ」150円をチョイス。また、天ぷらの「げそ」140円と「揚げ大根」90円も注文。合計830円です。

なお、「かけ」以外に「釜玉」、「釜あげ」、「肉うどん」、「豚ぶっかけ」などもあり、トッピングの天ぷらも多種多様です。

さて、筆者が着席したのは、並び始めてから約40分後。
待っている間に観察したところによると、うどんを茹でるご主人と、天ぷらを揚げる担当(注文も聞く)の女性の二人だけで切り盛りしているので、とにかく大変そう。
しかも、お客さんが着席したらその注文内容に合わせ、ご主人はうどんを茹で、女性スタッフは天ぷらを揚げるといった具合。とにかく茹でたて、揚げたてを提供してくれるのです。ちなみに、食器の片付けやお水のおかわりはセルフサービスですが、むしろ率先してやりたいくらいの忙しさです。
というわけで、着席して最初に登場したのは揚げたての天ぷら。

まず、「げその天ぷら」から食べたのですが、一気にテンションが上がりました。サクサクの衣、そして小さいながらゲソ天の旨いことといったら! ぱらりと振られた青のりの香りといい、衣の具合といい、ゲソの旨さといい、すべてがパーフェクト。
また、「大根の天ぷら」も、しっとりしとした大根が甘くてやわらかく、味もシミシミ。大根の天ぷらというものを筆者は初めて食べましたが、びっくりするほどの美味しさでした。ここの天ぷらは、もはや専門店の領域かもしれません。
そして待ちに待ったうどんが登場!

トッピングの鳴門わかめに覆われてはいますが、黄金色に透き通ったおつゆを通して見える中細のうどんがキラキラと輝いています。いりこの香りがふわりと香るおつゆをすすってみると、昆布の旨味もじわ~っと響いてきて、めちゃくちゃ美味しい! 塩加減も絶妙です。
さらに手打ちのうどんがまた旨いのなんの。讃岐うどんというと、コシが強くて歯ごたえのある硬さをイメージする人も多いと思いますが、ここのうどんは、ひと味違います。口当たりのなめらかさがとにかく秀逸で、つるんと入ってきて、舌の上ですべるよう。硬くないどころか、むしろ柔らかいのですが、噛みしめるとしっかりコシもある。
うどんをすするたびに、繊細なおつゆの味とうどんの喉越しに感激しっぱなしでした。いやぁ、想像の上を遥かに越えていく、本当に美味しいうどんでした。
まとめ

ちなみに、お店はうどんがなくなり次第、営業終了。遠方からも食べにくる人が集まってきているようなので、平日・休日を問わず、早めの時間に行って並ぶことをオススメします。
次回は、「ひやひや」、その次は「釜あげ」なども食べてみたい。しばらく中野通いが続きそうな予感です。
(撮影・文◎土原亜子)