「アームズメソッド」で淹れた爽やかなコーヒーと焼き菓子も絶品

量り売り店にカフェを併設させたのには、かねてから苅部さんが「石神井公園付近にチェーン店でないコーヒー店が少ない」と感じていたことが関係しているそう。
「コーヒーをテイクアウトして、のんびり自然を楽しむのにはぴったりの公園なのにもったいないなと思っていたんです。当店のコーヒーは店内で飲むこともできますが、プラスチックフリーの紙カップでテイクアウトすることもできます。マイタンブラーをお持ちいただいた方には、100円引きで提供させていただいています」(苅部さん)

コーヒー豆は「Peru コチャパンパ」を使用(量り売りもあり)。フェアトレードの豆を「アームズメソッド」という特別な手法で焙煎することで、雑味やエグ味のない爽やかな味を実現しています。
「あるコーヒー店で焙煎の勉強をさせてもらったときに『アームズメソッド』について学んだのですが、コーヒーを飲んだときに感じる雑味は、実はコーヒー豆に付着したままのカビやホコリのせいだと知ったんです。『アームズメソッド』では、カビや虫食いのある豆を慎重にピッキングし、50度のお湯で洗ってから、濡れたままの豆を“水蒸気焙煎”しているので味わいが段違い! もう今までのコーヒーには戻れなくなりました」(苅部さん)

焙煎された豆を挽き、ドリップする際にもこだわりが。全量を抽出せず、雑味の混ざらない最初の1番液のみを抽出する「原液抽出ドリップ」で淹れたコーヒーをカップに注ぎ、お湯を少しだけ足せば、『アームズメソッド』流のコーヒーのできあがり。

実際に飲んでみると、たしかに、コーヒー特有のエグみや舌に残る雑味がまったくありません。フルーティーな味わいと、鼻腔に広がる香ばしい匂いも絶妙。さらに、カフェインの量もそれほど多くないそうなので、カフェインが体質に合わないという人や、コーヒーの味があまり得意でないという人も美味しく飲むことができそうです。
![[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2023/10/20231024-puente10.jpg)
コーヒーを淹れる水にもこだわりが。「水道配管に取り付ける浄水機『良水工房』を採用しているので、お水自体もすごく美味しいんです。当店は公園近くということもあるので、水筒やタンブラーを持ってきてくださった方にはお水を無料で提供しています」(苅部さん)

コーヒーとともにぜひ味わいたいのが、パウンドケーキとスコーン。フレーバーは日によって異なりますが、この日はバナナのパウンドケーキとさつまいものスコーンが用意されていました。

焼き菓子はグルテンの少ない「古代小麦」のほか、米糠も使って焼き上げているのでヘルシー。米糠独特の匂いはまったく感じませんでしたが、生地のザクザクとした食感は、米糠特有のものだそう。楽しい食感と優しい甘さの焼き菓子は、香り高いコーヒーと相性抜群です。
まとめ
店名の『PUENTE』は、スペイン語で“橋”を指す言葉だそう。「このお店が、人と人とをつなぐ橋になれたらと思い名付けました」と苅部さんは話しますが、取材中も地域の方々が続々と訪れる賑やかな様子は、お店が既にその言葉を体現していることを感じさせました。『PUENTE zerowaste shop&cafe』が、この街のおなじみの店になる日はきっと遠くないでしょう。
(撮影・文◎藤間紗花)
●SHOP INFO
店名:PUENTE zerowaste shop&cafe
住:東京都練馬区石神井町3-18-8
営:9:30~16:30
休:日・月曜