
以前、コラム「房総food記」に登場した千葉・四街道の野菜農家「キレド」が、このたび畑の引越しを発表した。従来の農家のイメージを覆すクリエイティブな都市型農業を展開してきた代表のクリタタカシさんが、次に目指す新しい畑作りとは? その取り組みを応援するクラウドファンディングが、11月30日(木)まで実施されている。
千葉県北西部に広がるベッドタウン・四街道市で、1haの畑を耕し、世界各国の珍しい品種を中心に、年間約150種類の野菜を栽培している「キレド」。ミネラル豊富な肥料を使い、なるべく原産地の環境に近づけた栽培を心がけているため、アクが少なく旨みの強い味わいが自慢だ。それらの“かじっただけでおいしい野菜”には、全国の家庭や飲食店にファンがおり、定期宅配の利用者も多数。また、隣町の千葉市若葉区に構えた直営カフェでは、旬の野菜を使ったランチや惣菜を提供。畑とカフェの2つの場を拠点に、「都市の中で生きる農家」として、野菜と畑の魅力を精力的に発信し続けている。
就農から丸5年を経た今年、その「キレド」の畑が、同じ四街道市内に移転する。立ち上げ当初からのクリタさんの目標である“人が集まる畑”の実現を目指し、現在、ワクワクするような畑作りを計画中だ。たとえば、作業小屋の屋上から畑を見下ろせる展望スペースを作ったり、昼寝用のハンモックスペースを設けたり、木陰やハーブ畑を作って来訪者のためのベンチを置いたり……etc. さまざまな人に普段から気軽に畑に立ち寄ってもらい、農業を身近に感じてもらえるような仕掛けを考えているという。
そのため「キレド」では、11月30日(木)まで、移転に伴う畑の整備資金を募るクラウドファンディングを実施中。参加金額は4,000円から10万円まであり、金額に応じて野菜詰め合わせセットやスペシャルディナーといった、それぞれに魅力的で愛情あふれるリターン付きだ。
「畑が、周りに住む人にとって大切な場所になっていくような活動をしたいんです。緑が豊かで、おいしいものが育つ気持ちのいい畑がそれぞれの住宅街の中にあれば、きっと優しい気持ちになれるはずだし、そこの土地や人を慈しむ気持ちも自然と生まれると思う」。
都市型農業の新たな形を見据えるクリタさんの挑戦が、今再び、四街道から始まる。




●DATA
畑、引っ越します。農家キレドの畑をもっと身近な場所に!(キレドのクラウドファンディング)
https://readyfor.jp/projects/kiredo
日時:11月30日(水)23:00まで受付中
目標金額:300万円
参加コース:4,000円、7,000円、1万円、1万8,000円、2万円、3万円、5万円、10万円(金額によってリターンは異なります)