新技術をとり入れた斬新な22種

22種8000円のおまかせコースは、にぎり13種、つまみ9種という内訳。提供される鮨ネタや料理は、仕入れ・季節によって若干異なりますが、今回はプレオープン中にお伺いした際に提供された内容をピックアップしてご紹介します。

生海苔を入れ、しじみとあさりの塩気とだしのみで仕上げた「貝だし」からはじまり、握りたてを手渡しでいただく本マグロの鉄火巻きと続きます。

この鉄火巻きは一口目に赤身が、二口目に中トロがくるようにネタが入っており、一つで2つの味わいが楽しめるよう工夫されています。

続く「さわらの焼霜造り」は後述する津本式究極の血抜きを施し、6日間熟成したサワラを使用。一種は煎り酒と梅肉のソースで、もう一種は辛味大根ゆずを添えていただきます。
フレッシュなのに旨みも強い! 津本式究極の血抜き施した熟成魚

こちらでは、前述の「津本式究極の血抜き」を施した熟成魚を寿司ネタに使用しているのが大きな特徴。これは、宮崎県長谷川水産に勤める津本光弘氏が考案した仕込みの技術で、水圧で魚の血管を圧迫して血を抜くことにより、保存期間が格段に延び、新鮮な状態のまま熟成可能に。魚の臭みも抜け、旨みだけを増幅してくれるんです。

現在『ミシュランガイド東京』などに掲載されているような、名だたる寿司店でも活用されている津本式究極の血抜き。『築地すし Omakase』では全スタッフがこの技術を習得、大将を含む津本氏に直接公認を受けた2名の板前が毎日管理をしています。

津本式究極の血抜きが行われた熟成魚は、タンパク質が分解され、ねっとりとした食感と力強い旨みが魅力。コリコリしつつねっとりとした食感、ほのかに酸味を感じる「シマアジ」や、身を6日間熟成して当日ものの肝を通常量の3倍合わせた「カワハギ」など、思わず日本酒がぐいぐい進みそうな味わいでした。
フォトジェニックな「やりいかうに」や薫香あふれる「生サバ」も!

もう一つの『築地すし Omakase』の特徴が、エンターテイメント性にあふれたおもてなしです。お店の空間もゼロからプロデュースし、常に新しい技術を取り入れ、見た目や香りなど提供の方法にも趣向が凝らされています。
例えばこちらは見た目を華やかに仕上げた「やりいかうに」。福岡県、小倉の名店『天寿司』店主より教わったというメニューで、やりいかとウニに塩とスダチ、錦ごまを散らしています。

こちらは、蓋を開けるとスモークが立ち込める「生サバ」。パフォーマンスの面白さもさることながら、鼻を抜ける燻製香、味わい深い脂身、コクの強い味わいがあとを引きます。
とろたくの「おはぎ」、とろける口溶けの「スフレ玉子」も見逃せない

このほかにも、おはぎのような見た目をした「とろたく」、口溶けが心地よい「スフレ玉子」など、驚きあふれるメニューが目白押し。

趣向を凝らしたお寿司を、目の前で大将が握ってくれる『築地すし Omakase』。築地という立地でこれだけの内容とボリュームで8000円というのだから驚きです。予約が殺到する前にチェックしてみてはいかがでしょうか?
(取材・文◎中森りほ)
●DATA

店名:築地すし Omakase
住:東京都中央区築地6丁目24-8
TEL:03-6260-6416
営:16:00~23:00(要前日予約)
休:無休
https://tsukijisushiomakase.com/
※価格は全て税抜