フランスとアメリカから「日本初上陸」のチョコが登場

アムール・デュ・ショコラでは毎年必ず日本上陸のチョコレートが登場しています。今年は4ブランドが初お目見えとなりました。
「ヴァンサン・ヴァレ」は、若干27歳にして「ワールドチョコレートマスターズ2015」で優勝したフランス発の新進気鋭のショコラティエ。代表作は「キャラメルドーム」で、フレッシュフルーツなどを使ったガナッシュと、ヴァレ氏本人が親指で描いた美しい模様が目を引くチョコレート。そんなキャラメルドームをアレンジした「ビッグハートチョコ」は、見た目のインパクトが抜群です。
筆者は「ハートチョコ」を試食しましたが、淡いピンクのチョコはストロペリーとミントのキャラメルになっており、酸味は強め。赤いハートはクランベリーのプラリネで、少しサクサクしています。見た目よりもフルーツの味わいを感じるギャップがいいですね。

ちなみに、こうしてフレッシュフルーツを使ったガナッシュを使ったチョコはここ数年のトレンド。「チョコレート=甘い」というイメージは、実はもう古いものなんです。
続いて紹介するのは、パリからやってきた「ジュリアン・デシュノ」。同店は産地にこだわったアーモンドやナッツを自店舗で挽いてローストした「プラリネ」や、カカオニブとミルクチョコレートをむらさき芋のパウダーでコーティングした「カカオニブドラジェ」を販売します。

プラリネを試食したところ、たしかにナッツの香ばしさがケタ違い。こんなにナッツが主張してくるチョコは初めて食べるかもしれません。砂糖はできるだけ使わずに、素材の味を活かしているとあって、程よい甘さが楽しめます。
また、フランスのダンケルク生まれの「オー ドワ ド ジャン・バール」は、1905年に創業。そんな同店では1958年に考案された「ドワ ド ジャン・バール」というチョコレート菓子が地方銘菓として愛されており、ついに日本にもやってきました。

コーヒー風味のバタークリームをアーモンドとヘーゼルナッツが入った生地で挟み、チョコレートでコーティングしたこのお菓子は、とにかくシンプル。最近のチョコレートは甘さ控えめなものが多いのに対し、ドワ ド ジャン・バールまさにコーヒーや紅茶と一緒に食べたくなるしっかりした甘みが感じられます。甘党な筆者が求めていたのはこれ!
チョコレートといえばフランスのイメージが強いですが、今年初登場のブランドのうち、「ジンジャー・エリザベス」はアメリカからやって来たブランドです。サンフランシスコに店舗とラボを構える同店は、30社以上の契約農家から仕入れたミルク、フルーツ、ナッツ、柑橘類を使用するなど、地元の食材にこだわってハンドメイドで仕上げているのが特徴。

ボンボンショコラのアソートの中身は6種類で、レモンやパッションフルーツなど爽やかなチョコレートが多い印象です。まさに西海岸らしいヘルシー志向なチョコレートといった趣きです。
「社会貢献」や「健康志向」がひとつのトレンド

アムール・デュ・ショコラには、100以上のブランドが集結するのですが、なかでも印象的だったのが「食べて社会貢献」と「健康志向」という2つのキーワードです。
「食べて社会貢献」のなかでも、「ピエール・ルドン」と「QUON CHOCOLATE」は要チェック。ピエール・ルドンは、タンザニアのカカオを使用してタンザニアの小学校に教室を寄贈するのだとか。QUON CHOCOLATEは、障害者など多様な人々がショコラティエとして活躍できる場を生み出す「久遠」が手掛けており、筆者も実際にテリーヌチョコを食べてみましたが、「これは人にプレゼントされたらうれしいな」と思えるチョコレートでした。

今年のアムール・デュ・ショコラでは、ゆっくり消化吸収される「パラチノース」を使ったチョコラが複数登場しています。なかでも気になったのは、「デメル」のクッキーです。

デメルといえば、1786年から続くオーストリア王室御用達の老舗。かわいい猫のパッケージに入ったソリッドチョコに見覚えがある人もいるのでは? そんな同店が手掛ける健康志向なクッキーは、カカオニブによってカカオの風味がしっかり楽しめるだけでなく、優しい甘さも感じることができます。
正直、チョコレートに「健康」を求めることはなかったのですが、きちんとおいしさが両立されているので、選択肢としてはアリ! 自分用としてはもちろん、日頃から健康に気遣っている人へのプレゼントとしてもよろこばれそうです。
今回、紹介した以外にもアムール・デュ・ショコラでは食べておきたいチョコレートが盛りだくさん。男女問わず、家族や恋人、お世話になっている人へのプレゼントや自分へのご褒美チョコを探しに出向いてみましょう!
●DATA
アムール・デュ・ショコラ 2020
開催店舗
・日本橋店 1月29日(水)~2月14日(金)
・新宿店 1月24日(金)~2月14日(金)
・横浜店 1月22日(水)~2月14日(金)
・大阪店 1月22日(水)~2月14日(金)
・京都店 1月22日(水)~2月14日(金)
※玉川店、大宮店、柏店、高崎店、岐阜店、堺店、泉北店、岡山店、米子店でも開催。
※店舗によって販売期間や営業時間、一部取り扱い商品が異なります。
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/amour2020/
●著者プロフィール
今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好きで、フードツーリズムマイスターの資格も持つ。