四川に行かずとも名物料理が楽しめる! 今週末の「四川フェス2019」で押さえておくべき料理はコレ!

四川に行かずとも名物料理が楽しめる! 今週末の「四川フェス2019」で押さえておくべき料理はコレ!
四川の名物料理「夫妻肺片(フーチーフェイピエン)」 | 食楽web

今年で3年目となる「四川フェス 2019」が今週末、4月20(土)・21日(日)が、新宿中央公園で開催されます。来場者数のべ10万人を超え、本場・四川の味伝えてきた大人気フェス。その仕掛け人の一人、麻辣連盟総裁・中川正道さんに、四川料理の魅力について語ってもらうカウントダウン企画。

 日本人が知っている四川料理といえば、麻婆豆腐や担々麺が代表的ですが、最近は火鍋もメジャーになってきました。しかし、四川省にはもっとたくさんの料理があり、私は何度食べても、涙が出るほど美味しいものばかり。

 そこで、今回は、本場四川で愛されている人気料理をご紹介します! 日本ではなかなか味わえる店が少ないので、今週末開催の「四川フェス2019」でぜひ食べてください。

辣子鶏の食べ比べ

 新鮮な鶏を骨ごと叩き切り、油で揚げて、たっぷりの唐辛子と花椒で炒める激辛麻辣料理「辣子鶏(ラーズジー)」。発祥は重慶郊外の歌楽山と言われています。

 とんでもない量の唐辛子を使った料理です。まさに激辛の四川料理を表すフォトジェニックなビジュアル。この辣子鶏、2名の特級厨師のお店で食べることができます。

 一つ目は重慶出身の特級厨師・明信江シェフを筆頭に中国人シェフたち集まっているガチ集団「在日中国厨師精英協会」が作る「重慶辣子鶏」。本場重慶出身の明信江シェフのそれは、鶏肉もゴツくて、イメージ的には“ガテン系”。ガツンとくる辛味、痺れをぜひ堪能してみてください。

『在日中国厨師精英協会』の「重慶辣子鶏」
『在日中国厨師精英協会』の「重慶辣子鶏」

 二つ目は四川省の特級厨師・楊聡シェフが作る「成都式辣子鶏」。重慶スタイルのような味が濃く辛味もハンパないタイプとは違い、成都料理はどちらかいうと上品な感じです。その分、味わいもしっかり感じられると思います。ぜひ前者と食べ比べしてみてください!

夫婦肺片の食べ比べ

 続いて食べていただきたい料理は「夫妻肺片(フーチーフェイピエン)」です。

「夫妻肺片」は清朝末期(1930年頃)、回族(イスラム教徒)である郭氏、張氏の夫婦が創った料理です。

 廃棄されていた牛タン、牛のレバー、牛の胃袋等をもったいないと思い、独自に調理。臭みを消し、ラー油たっぷりのしびれる味付けにして売り歩いたところ、人気に火がつきました。そして、今では四川の名物料理の1つになっているんです。

 こちらの「夫妻肺片」は『陳麻婆豆腐』と『在日中国厨師精英協会』の2店舗で食べることができます。

『陳麻婆豆腐』は麻婆豆腐発祥のお店として有名ですが、実は伝統料理もおすすめです。特に「夫妻肺片」は麻婆豆腐と並ぶ成都の名物料理。それぞれ異なる牛モツに特製ラー油をかけてあり、辛くてシビれる一品です。

『陳麻婆豆腐』の「夫妻肺片」
『陳麻婆豆腐』の「夫妻肺片」

 もう一つの店舗はさきほど紹介した『在日中国厨師精英協会』。成都よりがっつり系の重慶料理ですので、こちらの「夫妻肺片」もぜひ試してみてください。

『在日中国厨師精英協会』の「夫妻肺片」
『在日中国厨師精英協会』の「夫妻肺片」

「鉢鉢鶏」食べ比べ

 最後は「鉢鉢鶏(ボーボージー)」です。茹でた鶏のさまざまな部位と野菜を細かく刻み、串に刺して激辛タレに漬け込んだ料理です。

 今回の四川フェスでは2店舗のお店が「鉢鉢鶏」を提供します。

 一つ目は本場・四川省から来た『幺麻子(ヤオマーズ)』。幺麻子は四川省洪雅にある企業なのですが、この洪雅という街は山椒の一種である「藤椒(タンジャオ)」の一大生産地。藤椒は花椒と違い、乾燥すると香りが飛んでしまいます。なので、洪雅では乾燥させるのではなくプレスして藤椒から油を搾ります。それが藤椒油。

 つい20年前まで洪雅でしか食べられていなかった藤椒油は『幺麻子』によって、中国全土に知れ渡り、今や四川省を代表する企業にまで育ちました。そんな『幺麻子』が今回は四川省から四川フェスのために来日。料理は藤椒油を使った「鉢鉢鶏」。もう、とにかく食べてください。感動する旨さです!

『幺麻子』の「鉢鉢鶏」
『幺麻子』の「鉢鉢鶏」

 そして、もう一店舗は麻布十番や銀座にある『瓢香(ピャオシャン)』。言わずと知れた名店です。四川料理界のレジェンド・井桁シェフが作る渾身の「鉢鉢鶏」。ぜひ試してみて下さい。

『瓢香』の「鉢鉢鶏」
『瓢香』の「鉢鉢鶏」

麻婆豆腐のその先へ。

 麻婆豆腐や担担麺、よだれ鶏、火鍋と少しづつ日本でも四川料理が知れ渡ってきました。しかし、ぼくら日本人が知っている四川料理はまだまだほんの一部にすぎません。

「四川フェス」を通して、少しでも多くの方に四川料理の美味しさと素晴らしさを伝えていければ最高です。ぜひいろいろな料理を食べ比べしてください!

(取材・文◎土原亜子)

●DATA

四川フェス2019

「四川フェス2019」

開催日時:2019年4月20日(土)11:00~17:00、4月21日(日)10:30~17:00
会場:新宿中央公園(東京都新宿区西新宿2-11)
※料理は売切れ次第終了

四川フェス2019 公式サイト
https://meiweisichuan.jp/sisen-fes2019

四川フェス実行委員会は3月22日から四川料理クラウドファンディングを開始しています。
https://camp-fire.jp/projects/view/131659

●プロフィール

中川正道

中川正道

四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、時色株式会社代表兼デザイナー。2002~2006年まで四川省に滞在、四川料理に魅了される。2012年に単身、四川省へ行き、四川の仲間たちと200店舗の四川料理店を食べ歩き「おいしい四川」サイトをリリース。2014年夏に日本初!四川料理食べ歩きガイドブック「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」を出版。2日間で6.5万人を動員した四川フェス主催。これまでの活動が実を結び、2018年のマー活、花椒がブームに。「今年の一皿」ではしびれ料理が準グランプリになる。