スパイシーだけど辛くない魅惑のアラビア料理専門店『ゼノビア』が美味しい理由

入門編! まずはシリア料理の定番「プレート」と「ナスのひき肉詰め」

「アラビアランチプレート」1,200円
「アラビアランチプレート」1,200円

 まず最初に食べるなら、ランチタイムのメニュー「アラビアンプレート」がおすすめ。シリアの定番の料理が7種類入っているので、いちどにいろんな料理が食べられます。前菜のひよこ豆やナスをペースト状にした定番料理の「マッザ」が2種類、ひよこ豆のコロッケの「ファラフェル」、チーズの春巻き「サンブーサ」、ひき肉とナッツのコロッケ「コッバ」など、ディナーでも人気の料理が少量づつ勢ぞろい。ナン(おかわりはプラス100円)、サラダやデザート、ドリンク付きでとってもお得。1日限定10食なので、早めに出かけてみて。

「ナスのひき肉詰めランチ」1,000円
「ナスのひき肉詰めランチ」1,000円

 次にオススメしたいのがこちら、「ナスのひき肉詰めランチ」。ナスとひき肉をたっぷりのトマトで煮込んだもので、トマトシチューのような味わいです。辛味はなく、トマトの酸味がとってもフレッシュで美味しい一品。こちらもナン(おかわりはプラス100円)、サラダやデザート、ドリンク付きです。

中級編! ナンと相性抜群のマッザは4種類、いろいろ試してみよう

「アラビアナン」250円(写真左)と「ホンモス」700円(写真右)
「アラビアナン」250円(写真左)と「ホンモス」700円(写真右)

 シリア料理に欠かせないのが前菜のマッザ。野菜や豆をペースト状にしたもので、そのまま食べたり、料理やナンにのせて食べます。どのマッザもすり鉢状で菊の花のようなかわいい盛り付け。ゼノビアでは常時4種類のマッザがあって、いちばん人気は、ひよこ豆ペーストの「ホンモス」。ゴマの風味とオリーブオイルにマイルドな味。クリーミーでコクがあって、シリア人も現地の味だと大絶賛。細かく刻んだオリーブの実が、ちょっとした苦味のアクセントになって絶妙なんです。

 濃厚なペーストはナンにつけて食べると美味しさ倍増。そのほかにも、ヨーグルトペーストの「ラップナ」、ナスとゴマのペースト「ムタッバル」、ちょっと刺激を加えたいなら唐辛子のペーストの「ハリーサ」と、いろんな味のマッザが楽しめます。

上級編! シリアの水餃子はヨーグルト入り

「シュシュバラック」1,400円
「シュシュバラック」1,400円

『ゼノビア』でぜひ食べてほしいのがこちら「シュシュバラック」。シリアを代表する家庭料理で、ひき肉と玉ねぎを炒めた餡を小麦粉の生地で包んだ、水餃子のようなものをヨーグルトソースで煮込んだ、爽やかな酸味のあるシチューのような味わいの料理です。和食では味わうことのない初めての衝撃で、キリリとした酸味と、モチモチの水餃子、そしてあとから香るコリアンダーやニンニクバターの風味がたまりません。この味が好きな人にはこれ以上ない美味しさで、酸味やハーブを好まない人にはちょっと苦手な味かも。好みが分かれそうなはっきりとした味ですが、筆者はドストライクで、インパクトのある料理でした。

 月に数回ディナー時には、ベリーダンスショーも開催。シーシャも楽しめるアラビアンレストラン。ビールは、パレスチナ、レバノン、モロッコ、チュニジアなどの珍しいビールもずらり。内装や食器もオリエンタルで、気分も盛り上がります。スパイスをたっぷり使っているのにどの料理も辛くなく、マイルドな味で日本人の口にもよく合います。店名のゼノビアとは、古代都市「パルミラ」の女王の名前からとったもの。その名が表す通り、堂々たる料理は、たくさんの衝撃と発見がありました。

●SHOP INFO

アラビアレストランゼノビア 店内

店名:アラビアレストランゼノビア

住:東京都渋谷区広尾5-2-25本国ビルB1
TEL:03-5420-3533
営:11:30~14:30、17:00~23:00(L.O.22:40)
休:なし

●著者プロフィール

矢巻美穂

国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩きネパールへ」「とっておき! 南台湾旅事情故事」「台北ナビが教えてくれる本当においしい台湾」「初めまして、東台湾。」がある。