カレーの名店が監修するカレーも超本格的で旨し!

続いて、冒頭でも紹介した荻窪のマレーシア料理の名店『馬来風光美食』監修のカレーは骨付きチキンのルンダンでしたが、今回ご紹介するのは「ビーフルンダン」。ちなみにルンダンとは、香辛料、ハーブ、野菜、ココナッツミルクで煮込むマレーシアの家庭料理のこと。

ビーフルンダンは野菜類や肉が煮込まれたどろりとした濃厚スープで、食べてみると香辛料の辛さを感じるとともに、ココナッツミルクのまろやかさ、タマリンドの酸味などが加わってきて、レモングラス、スターアニス(八角)、シナモン、ショウガなどの風味が後味にしっかりと残るのが特徴です。
具材の牛肉はしっかりと歯ごたえがありますが、やわらかくて、噛むごとに浸透しているスープの旨味も感じます。やっぱり「ルンダン」はチキンもビーフも最高なんです。
池袋『味楽来』監修「カンボジアチキンカリー」

続いては、池袋の人気中華料理店『味楽来(ミラクル)』の「カンボジアチキンカリー」です。同店の店主はカンボジア出身で、彼の作る「エスニックカレー」が昼夜問わず大人気。そのレシピを再現したのがこの商品です。
パッケージに「カライノダイジョウブ?」なんて書いてあるので、心して食べました。真っ赤な色にちょっと身構えますが、ひと口食べると「ん、甘い?」。ナンプラーの香りがしたり、ココナッツミルクの甘みもあったり。加えて、具材として入っているさつまいもがとても甘い。と思って調子に乗って2口、3口といくと、いきなり口の中がカーッと炎上してきました。ヒリヒリ、ヒリヒリ。こうなるとスープだけでなく、チキンも辛いし、さっきのさつまいもも辛い。

辛いけど、なんだか止まらない。そう、クセになるんです。その理由は正直言って表現するのが難しいのですが、魚醤や豆板醤のせいなのか、辛さの奥の旨みに魅力があるんです。辛さがかなり持続するので、おせち料理の甘さを一変させるのにぴったりのカレーだと思います。
吉祥寺『ピワン』監修「チキンカレー」

最後に紹介するのは、吉祥寺のスパイスカレーの名店『ピワン』。お店では、日替わりカレーと定番「チキンカレー」の2種盛りが名物です。とくにライスを中心に、左右に盛られるカレーの美しいビジュアルは有名ですね。そして、2つのカレーの合掛けハーモニーに感激します。
その定番のチキンカレーをレトルトで再現したのがこちら。

サラサラのスープにチキン。見た目はシンプルなのですが、スパイスはざっと数えるだけで30種類以上。魚醤や味噌、しょうゆ、ねりごまや陳皮、オイスターソースなどまで入っていて、なぜこんなにサラサラであっさりしているのだろうか? と不思議になるくらい。でもそうした食材から出る旨味が溶けこんでいるんですよね。滋味深く、スーッと体にしみわたるよう。このチキンカレーは、もはや常時ストックしておきたいほど美味しいです。
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というわけで、「36チャンバーズ・オブ・スパイス」の名店監修カレーシリーズは、とにかくどれもこれもハズレなし! 成城石井や大手スーパー、デパートなどでも売っているし、お取り寄せもできます。ぜひ1年の初めに、極上カレーを楽しんでみてください。
(撮影・文◎土原亜子)