2018年にカルディから発売された「卵のいらない卵かけご飯の素」は、今もなお、爆発的な売れ行きを見せるヒット商品です。
筆者は昨年、メディアで紹介されていたのを見かけて、「斬新な名前の商品だな」と思っていました。ただ売り切れていることが多く、なかなか買えませんでしたが、発売から1年経った最近、ようやくカルディで手にすることができました。
よく見てみると、パッケージの左上にイラストで描かれた鰹のキャラが、吹き出し文字で「さらに美味しくなったよ!」と喋っているのがわかります。どうやら今年になってリニューアルされたようなんです。これはラッキー。
というわけで、さっそく購入して、家でTKGを食べることにしました。
卵を使わないなんて出来ますか?
しかし、家に帰ると、冷蔵庫には卵がたくさんあります。しかも、この卵はわざわざお取り寄せして買った、新鮮&濃厚で、かなり上質な卵。数秒で極上のTKGができるというのに、なぜ今、私は卵を使わずにTKGを作ろうとしているのか。と自問自答をしてしまいます。
しかし、やはり、この「卵のいらない卵かけご飯の素」には、決して卵を使ってはいけない。そんな気がしました。なにしろ「卵のいらない」と書いてあるわけですから、こっそり卵を入れてしまいました、というのは、契約違反というか、倫理観に欠けるというか、やっぱり人として良くない行為だと思うわけです。
というわけで、袋を開け、2つ入っていたうちの1つのパウチ袋の封を開けて、そのタレを小皿に移して確かめてみます。
色は、やや黄身色がかった醤油色。香りはカツオの風味が強く、スプーンですくってみると卵が入っているかのようなトロリとした液体です。舐めてみると、かなり濃厚な醤油とカツオ出汁と、そして深い甘みがありました。
しかし、実は卵の味はさほどせず、卵独特の臭みもありません。ここで「本当に卵は入ってるのかな?」との疑惑が持ち上がります。そこで改めてパッケージの裏面を見てみると、原材料には“卵黄加工品”という文字が。一応、入っているようです。
さっそく、ご飯にかけて食べてみました。すると、かつおダシの風味の中に、卵の味がほんのりと浮き出てきました。これは確かにTKGの味。
しかし、なにかが足りない。なにかが欲しい。
どうしたものか、と考えていたのですが、気がつくと勝手に手が動き出し、そばに置いてあった卵をパカっと割って、上に載せてしまっていました。これには自分でも驚きです。
真ん中に卵を載せると安心します。そして食べてみると、美味しい。やっぱりさっきより格段に美味しい。さらに、食べ進むうちに気づきました。いつも食べているTKGよりずっと美味しいということに。これこそが最高のTKGです。「卵のいらない」と書いてあるのに卵を入れる行為は契約違反だとか倫理観の欠如とか、もうどうでもいいです。
そこで2食目のパウチ袋も破り、卵もパカっと載せて、おかわりに突入です。箸が止まりません。
結論を言うと、「卵のいらない卵かけご飯の素」は、卵を載せたら、もっと美味しくなる。と言うことが証明されたわけです。
ぜひ、“さらに美味しくなった”という「卵のいらない卵かけご飯の素」をお試しください。卵を入れなくてもいいですが、卵を入れたらもっと最高になりますよ。
(撮影・文◎土原亜子)