知られざる地方みやげ発見の旅!いつもの食事が100倍美味しくなる熊本の「南関あげ」

あまりの美味しさに思わず大量購入

 注文した「南関あげ丼」は、たっぷりダシを染み込ませた南関あげと玉ねぎを卵でとじた一品。見た目は親子丼のようです。まずはひと口……普通の油揚げを想像しながら口に入れたら全然違って、頭がバグりかけました。

 なんと不思議な食感! 見た目はダシのしみたやわらかいおあげなのに、噛むとザクッというかむぎゅっというか、形容しがたい歯ごたえがあるのです。楽しい食感に加え、ダシと大豆の旨味が噛めば噛むほどじゅわじゅわ染み出てくる。めちゃくちゃウマい! ひと口でまんまとトリコになってしまいました。けっこうなボリュームですが、なんてったって元がお豆腐なのでヘルシー。これは嬉しい。気づいたらぺろりと完食しちゃってました。

 もう一品、別に注文したのが「かしわぶっかけうどん」。こちらはスポンジのようにたっぷりと旨みを吸った南関あげの汁でうどんを食べるような感覚の一杯。温泉卵のとろけた黄身とやさしい味付けのかしわ(鶏肉)と南関あげの汁があいまって、噛むほどに美味しさが増幅します。

 セットについていたうどんもみそ汁もセルフで自由に食べられる総菜も、南関あげが一枚入っているだけで、もう全部美味しくなるのです……!

[食楽web]
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 いざ味わってみて、その実力のほどが分かると、物産館のおあげコーナーの充実っぷりにも納得。タンパク質でもあるし、こりゃダイエット中の若い女性や健康が気になりはじめた中高年層、食が細くなりがちなお年寄り……老若男女みんなにありがたい最強食材だなぁと。贈り物にも喜ばれること間違いなしだと強く思いました。

 お腹はいっぱいだったけど、惣菜コーナーの一番人気商品も食べないわけにはいきません。せっかくなのでおいなりさんを買って、その場でいただくことに。おいなりさんといっても、今まで食べてきたおいなりさんとはまったく違います。まず見た目からして違います。棒状です。炊いた南関あげを海苔のようにして、ぐるりと酢飯を巻いてあるのです。

 整列した棒状のおいなりさんにゴマやわさびがちょんとのっているのがなんとも可愛らしい。一本つまんで頬張ってみると、やっぱり不思議な食感。普通のおいなりさんとは一線を画しています。噛むとダシがじゅわっとあふれてごはんがつゆだく状態になるほど。ひと口でいかないと、手が汁まみれになるジューシーすぎるおいなりさん、控えめに言って最高です。あー美味しかった。次はぜひ巻きずしも食べてみたい。

 すっかり南関あげのトリコになってしまった私、ものすごくかさばることも忘れて大量購入してしまいました。

 何しろ、南関あげは豆製品なのに常温で3か月と保存期間が長いのがイイ。お土産としても贈り物としてもありがたいですよね。サイズも豊富ですが、帰宅後に試して特に便利だったのが最初から刻んである「きざみ」。

 油抜きも不要なので、そのままみそ汁やうどんなどにひとつかみ加えるだけ。超お手軽なのに、汁ものが最高の出来になってしまいます。上品な和食の煮ものにはもちろん、ジャンクなカップ麺にも相性抜群で、毎日食べても飽きない。友人にドン引きされるほどたくさん購入して大正解でした。

おまけ:オススメの南関あげの食べ方

 南関あげのイチオシの食べ方は、冷凍の鍋焼きうどんに南関あげをたっぷり入れてぐつぐつ煮込む一品。特にカレーうどんが最高で「カレーを吸った南関あげ」と「あげの旨味がしみ出たカレー汁」の美味しさは格別。ポイントは、これでもかってくらい南関あげをぶっこむこと。冷凍アルミ鍋うどんが100倍美味しくなるのでぜひやってみてほしいです。

 今回の知らなかった名産品は「南関あげ」でした。うまいもの発見の旅熊本編はまだまだ続きます!

(撮影・文・イラスト◎ワタナベマキコ