“湯かけ厳禁”の「0秒チキンラーメン」に熱湯を注いで食べてみたら思わぬ美味しい発見があった!

「0秒チキンラーメン」は湯かけしたら本当に美味しくないの?

 まずは、「0秒チキンラーメン」と「チキンラーメン」を並べてみます。スペックを比較すると以下の通り。

・「0秒チキンラーメン」…内容量75g/362kcal/食塩2.2g
・「チキンラーメン」………内容量85g/377 kcal/食塩5.6g

 確かに1食分の塩分の差は歴然です。両者を丼に開けてそのままかじってみます。まぁ、わかっていたこととはいえ、「チキンラーメン」がかなり醤油味が濃くてしょっぱいのに対し、「0秒チキンラーメン」は程よい感じです。これは確かにビールのつまみなどにいいかもしれません。

左が「0秒チキンラーメン」、右が「チキンラーメン」
左が「0秒チキンラーメン」、右が「チキンラーメン」

 しかし、まず思ったのは「1袋丸々(75g)食べたいかな?」ということです。バリバリに砕いて数回に分けて少しずつつまむ、というのが正解なんでしょうが、「熱湯をかけて食べてくれ」と言わんばかりのカタチとサイズ感にしか思えないのです。玉子を落とすためのたまごポケットまで視認できます。というわけで、容赦なく熱湯攻めにしていきます。

「おいしくないよ」と言われても、つい熱湯をかけてしまうのが人間の性(さが)
「おいしくないよ」と言われても、つい熱湯をかけてしまうのが人間の性(さが)

 両者に熱湯400mlを注いで蓋をし、3分待ちます。同時に作って、出来上がったのがこちらです。見た目はあまり変わりませんが、よく見ると右の「チキンラーメン」のスープのほうは色がやや濃いめ。そのスープに浸っているせいか、麺の色も濃いです。

熱湯を注いで待つこと3分
熱湯を注いで待つこと3分

 食べてみると、味わいの違いがよくわかります。「チキンラーメン」のスープは醤油&鶏ガラの旨みが濃くてシャープ。わかりやすく美味しい。そう、「すぐ美味しい、すごく美味しい」んです。

 一方、「0秒チキンラーメン」のスープは、かなり薄くて頼りなげ。お湯を入れすぎたような薄さ。しかし薄味で儚げではありながら、実はちゃんと醤油&鶏ガラのコクは健在。そう、塩味が薄いというだけで旨みはあるので、逆に言えば塩分を控えたい人には、「0秒チキンラーメン」はうってつけです。

湯かけ禁止の「0秒チキンラーメン」に湯かけしてみた。[食楽web]
湯かけ禁止の「0秒チキンラーメン」に湯かけしてみた。[食楽web]

 つまり、熱湯をかけても良いのでは? と思ってしまったわけです。しかもこれに肉や野菜炒めなどをトッピングするとしたら、これくらいの塩味のほうがちょうど良い塩梅かもしれません。

 そして辛いものが好きな人なら、この「0秒チキンラーメン」に“食べるラー油”など辛味調味料をたっぷり入れると、しょっぱさも程よい感じになります。

好みの“食べるラー油”を入れてみました
好みの“食べるラー油”を入れてみました

 実際、両方に “食べるラー油”を入れて食べ比べてみると、「チキンラーメン」より「0秒チキンラーメン」のほうが辛さが際立ち、すっきりしていて、かなり美味しいスープになるんです。ラー油に限らず、柚子胡椒や豆板醤など、好きな調味料を入れてもアレンジが楽しめそうです。

 というわけで、「湯かけ禁止、おいしくないよ」と言ってるのに、ついやってしまった今回の狼藉。あえてやってみたことで、「0秒チキンラーメン」の美味しい可能性をたくさん見出せました。つまり、チキンラーメンはそもそもベースの鶏ガラスープが美味しいから、塩味を引いてある分、アレンジの幅が広がる商品なのです。

 ぜひ、皆さんもトライしてみてください。「0秒チキンラーメン」、なかなかアレンジし甲斐がありますよ。

(撮影・文◎土原亜子)