こんなにあったニンニクの薄皮剥き方法

そもそも筆者がどうやってニンニクの薄皮を剥いているかというと、房から1片を取り出し、底の硬い部分を包丁で切り落としてから指で剥いていました。ただし、これだと、いつも薄皮が微妙に残るんです。理想は、バナナの皮を剥くように、簡単で、身を傷つけず、つるんと剥きたい。そこで、まずは料理歴の長い主婦たちに意見を聞きました。
方法1. 水にしばらく漬けるだけの「水漬け法」

まずは専業主婦歴30年のKさんの場合、「ニンニク2~3片を30分間ほど水につけておいてから剥く」と言います。
これ、実際にやってみると、確かに薄皮がふやけて剥きやすくなります。とはいえ、一発でつるんと剥けるわけではなく、やはり何度か皮をひっぺがしていく感じです。待ち時間も長いし、う~ん、微妙です。

無精な筆者にとって、たかがニンニクごときに30分も水につけておく行為自体が面倒。というわけで、別の人にもリサーチしてみることにしました。
方法2. 器具不要の「ニンニク絞り法」

続いて聞いたのは近所のおばあちゃん。主婦歴50年のベテランです。
「ニンニクの端っこを両手の指でつまんで、雑巾絞りの要領でキュッキュッと絞るの。何回か繰り返すと、薄皮にシワが入ってきて、徐々に浮き上がってくるから、そこで皮をツルッと剥くのよ」
これは簡単そうですよね。しかし、実際にやってみると、かなり難しいんです。小さなニンニクの端っこを両手でつまむと指でニンニクがあまり見えないし、そもそも雑巾絞りのようには力が入りません。それでもキュッキュキュッキュと繰り返すこと5~6分。たしかに、薄皮は少しとれましたが、ツルッとではありません。これもかなり時間がかかります。

というわけで、さらに他の人にも聞くことに。
方法3. 簡単&長期保存可能な「ニンニク凍結法」

続いて教えてくれたのはラーメン大好きのAさん。家でも自家製スープ&チャーシュー、醤油ダレまで作るほどのこだわりぶり。つまりニンニクを大量に使うタイプの人です。
「ニンニクを房から1片ずつバラバラにして、そのまま冷凍。凍ったら、ニンニクのヘタの部分から指で剥くだけ。パリパリっときれいに剥けますよ」
これを聞いてまず、「ニンニクって冷凍OKなんだ!」と驚きました。さっそく薄皮のついたニンニクを冷凍庫へ。翌日、凍ったニンニク1片の皮を手で剥いてみると、おお! これは皮がバリバリになっているので剥がしやすい。かなり楽に剥けました。しかし…ニンニクはカチンカチン。解凍してからでないと包丁が入りません。
他には何かないかなと探すと、ネットで面白い方法を見つけました。ズバリ、「ニンニクシェイク法」です。
方法4. ネットで話題の「ニンニクシェイク法」

「ニンニクシェイク法」を要約すると、「空き瓶にニンニク1株まるごと入れて蓋をし、シャカシャカと振る。最初は、房の外皮が剥がれるので、それをいったん取り出して、ヘタ部分を取り、再度、瓶に入れてまたシェイクする。そうすると薄皮がきれいにとれる」というものです。
ニンニクに手を触れることなく一房がバラバラになって、むきニンニクが大量生産できる、というわけです。ミラクルじゃありませんか!
しかし、実際にやってみるとわかりますが、まず、ニンニク1株を入れる広口瓶がなかなかない。ようやく見つけて実行しましたが、この方法、まったく無理でした。振っては休み、振っては休みを10分くらいやったのですが、まったく皮が剥がれません。手も頭も痛くなってやめました。何かコツがあるのでしょうか……。
方法5. 電子レンジを使う「加熱法」

最後にカレー好きで、スパイスカレー作りを趣味にしているY君に聞くと、「僕は電子レンジを使う」と言います。
「ニンニク1株の根本を包丁でカットしたら、そのまま電子レンジに入れて40秒ほど加熱。房から押し出すと剥きニンニクがコロコロ落ちてくるよ」と言うのです。
やってみると衝撃でした。たしかに、簡単にプリップリッと剥きニンニクが押し出されてきます。これは気持ちいい! 加熱することで、皮と実の間に少し隙間ができて、剥きやすくなるんですね。

ニンニクを加熱することになるので、やや香りは落ちると思いますが、薄切りにもみじん切りにもできるし、おろしニンニクもできます。筆者はこの方法が1番、手っ取り早くて気に入りました。しかも、使わなかった分は冷凍して保存もOKです。
というわけで、ニンニクの薄皮剥き方法は多様な方法がありました。筆者が採用したいのは、冷凍法と電子レンジ法。みなさんも試してみて、スッキリしてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)