酒々井の老舗酒造発、古民家ギャラリーを訪ねて。【房総food記】

千葉在住ライターが、東京の友人に自慢したい、“ピーナッツだけじゃない”県内のおいしいものを気ままに紹介。房総を拠点にした「食」にまつわるあらゆるものを見つめた、飲んで・食べて・知る千葉の風土&food記です。

創業300年以上の酒蔵で、夏のガラスとお酒に出会う。

(千葉県印旛郡酒々井町)

酒々井の老舗酒造発、古民家ギャラリーを訪ねて。【房総food記04】
約5000坪の敷地に広がる、酒々井の老舗造り酒屋「飯沼本家」。左手の古民家がギャラリーやカフェが入居する「酒蔵カフェ 酒々井まがり家」の建物。奥に見えている煙突のある敷地で酒造りが行われている(手前が無料駐車場)。 | 食楽web

 前回、クラフトフェア「にわのわ アート&クラフトフェア・チバ」で満喫した佐倉市。その東隣に位置するのが、今回訪ねる酒々井町(しすいまち)です。酒好きにはたまらない響きの地名ですが、こちらにあるのが、地酒「甲子正宗」(きのえねまさむね)で知られる老舗酒造「飯沼本家」。酒々井の里山で300年以上続く造り酒屋です。

 もちろん酒蔵見学もできますが、実は、併設のギャラリーも外せません。以前から、千葉県ゆかりの作家に焦点を当てた企画展が行われていましたが、今年からは、「にわのわ」の実行委員長であるサカモトトモコさんのプロデュースで、さらに精力的な展示を予定しています。

 ギャラリーのある建物は、雪国・新潟から移築した「曲り家」(まがりや)と呼ばれる建築様式の古民家。母屋と家畜小屋がL字型に繋がった造りで、現在はこれを改装して1階にカフェ・物販スペース、2階にギャラリーが設けられています。趣ある落ち着いた空間ですが、特にギャラリー部分は、秘密の屋根裏部屋に遊びに来たようなワクワクした心持ちにさせてくれます。

 7月1日(土)からは、夏らしくガラス作品を中心とした企画展がスタート。船橋市在住の今村知佐さんと、東京都で製作する曽田伸子さん。二人のガラス作家がうみだす涼しげな器と日本酒の取り合わせを楽しむのもオツですよ。また、画家の藤川孝之さんにその場でデッサンしてもらえる絵画作品の展示(デッサンは事前予約制)のほか、7月15日(土)には、明治時代に建てられた酒蔵を会場に、藤川さんと音楽家・青木隼人さんによるライブドローイング(ワンドリンク・おつまみ付)も開催されるなど、盛りだくさん!

 緑まぶしい夏の里山で、“アートな一献”といきたいところです。

酒々井の老舗酒造発、古民家ギャラリーを訪ねて。【房総food記04】
7月から始まる企画展のフライヤー。趣ある造り酒屋を会場に、ガラスと絵の展示が行われる。(※7月15日(土)のライブドローイングのタイトルは、「初夏の音、倉の響き」に変更)。
酒々井の老舗酒造発、古民家ギャラリーを訪ねて。【房総food記04】
写真はギャラリーの常設展の様子。作品を並べた低いテーブルは、かつて酒造りで実際に使用されていたお酒のタンクの木製の蓋を再利用したもの。
酒々井の老舗酒造発、古民家ギャラリーを訪ねて。【房総food記04】
ギャラリーオリジナルの小物も販売中。長年、お酒を搾る工程で使われていた「酒袋」を、長財布やポーチにアレンジした。
酒々井の老舗酒造発、古民家ギャラリーを訪ねて。【房総food記04】
ギャラリーの階下はカフェ・物販スペース。利き酒セットや酒粕入りのカレーライス、リキュールのシロップをかけて食べるかき氷(夏限定)、糀ドリンクなど、お酒にちなんだメニューを提供中。物販コーナーでは自社製品をはじめ、お酒、おつまみ、酒器などを取り扱う。