使い勝手が大幅に変わる「ボディ形状」

抽出後、プレス器具の内部には油分を含んだコーヒーの豆ガラが残ります。豆を捨てた後に油分が残ると、酸化して匂いのもとになることも。そこでボディをキチンと洗おうと思ったとき、自分の手が入らないほど細い形状のボディだと専用スポンジを用意する必要があります。また、メーカーによっては持ち手が本体にくっついたまま取り外せないもの、全てバラバラに外して食洗機で洗えるもの、と機能が違います。扱いが面倒だと使わなくなってしまうため、日常のなかで負担なく使えるものを選びましょう。
「フィルター」で味がガラリと変わる

挽いた豆をお湯に浸した後、このフィルターでギュッと豆と抽出液を分離させるのがコーヒープレスの構造。金属フィルターがきめ細かいほど微粉などの雑味が取り除かれます。シリコンやバネなどで豆の逆流を防ぐ造りになっているかも見ておきましょう。
コーヒー豆は油分を含んでおり、その豊かなオイル分を楽しむのもプレスで淹れる醍醐味ですが、そのぶんフィルターには油汚れが付きます。バラバラにして洗えるか、食洗機が使えるかなども選びのポイント。また、この部分は消耗品にあたるので、後からフィルター単体で買えるタイプだと購入後も長く使えます。
「抽出量」と「保温機能のアリ・ナシ」を決めよう

抽出後の豆がボディの下部に入っている、という構造上、コーヒーを入れっぱなしにしておくと雑味が増してしまいます。ライフスタイルにあった、飲みきれる量の器具を選んで淹れ立てを楽しむのもおいしさのコツとなります。1~2杯なら300ml前後がベター。また、最近は保温機能のあるコーヒープレスもあるが、時間をかけて飲むことを考えると抽出液と豆をしっかり分離するフィルターの構造がカギとなります。保温タイプはフィルターの造りを必ず確認することをおすすめします。
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コーヒープレスはシンプルな器具ですが、だからこそフィルターの構造や使いやすさの部分でメーカーそれぞれが工夫をこらしています。見た目は似ていても細かい仕様は違うことを頭に入れて、買うときは店頭のスタッフに説明を受けると安心。特に洗いやすさや食洗機対応、パーツだけの追加販売についても必ずチェックしましょう。
すぐ壊れるものではないだけに、いったん買うと長い付き合い。自分の生活に合ったお気に入りになるものを選ぶのがオススメです。
●著者プロフィール
文/木内アキ
北海道出身、東京在住。“オンナが楽しく暮らすこと”をテーマに、雑紙や書籍、ウェブなどで人・旅・暮らしにフォーカスした文章を執筆。プレスコーヒー歴7年。目標は「きちんとした自由人」。執筆活動の傍ら、夫と共に少数民族の手仕事雑貨を扱うアトリエショップ『ノマディックラフト』を運営中。
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