改めて「マティーニ」ってどんなカクテル?

今回、マティーニについてお話を伺ったのは、外苑前『bar cafca(バー カフカ)』の佐藤博和さん。洗練されたカクテルやヴィンテージのウイスキーなどが味わえる、非常に上質なバーです。
マティーニといえば「カクテルの王様」。映画や文学にもよく登場します。例えば「007」シリーズでジェームズ・ボンドが飲んでいたりするほか、オードリー・ヘップバーン主演の「麗しのサブリナ」、マリリン・モンロー主演の「7年目の浮気」などにも出てきます。また、ヘミングウェイの小説「河を渡って木立の中へ」にも主人公がバーでマティーニを注文するシーンが出てきますよね。
ジンとドライ・ベルモットのカクテルですが、シンプルであるが故に、バーテンダーの力量がわかるカクテルとも言われています。
「マティーニの由来は諸説あって、このカクテルが、マティーニの原型だと言われていますね」と佐藤さんが作ってくれたのが「マルティネス」。白ワインのような、薄く色のついたカクテルです。

「1862年にジェリー・トーマスが出版した、世界で最も古いカクテルのレシピ本『How To Mix Drinks』に登場するカクテルです。元々甘い味だったのですが、そこから味がドライにシフトしていき、スイートベルモットからドライベルモットに変わっていったようですね」(佐藤さん)。昔は甘いカクテルだったんですね。意外です。
「お酒×お酒のアルコール度数が高いカクテルなので、急がずゆっくり味わうのがかっこいい飲み方です」と佐藤さん。
シンプルなマティーニは、当然バリエーションも豊富。ジンの代わりにウオッカで作る「ウオッカ・マティーニ」やベルモットの代わりにウイスキーで作る「スモーキー・マティーニ」、オリーブの漬け汁が入る「ダーティ・マティーニ」などがあるほか、中には日本酒で作る「サケ・マティーニ」や、007シリーズにちなんだ「ボンド・マティーニ」も。その種類は300種近くあると言われています。

◯まとめ
・「マティーニ」とは、ジンとドライベルモット、それにオリーブを添えたシンプルなカクテル
・「カクテルの王様」と言われるほど有名
・名前の由来は諸説あるが、甘口な「マルティネス」が、ドライな味になって今の辛口の「マティーニ」になったという説が有力
・ジンの代わりにウオッカ、ドライベルモットの代わりにウイスキーなど、バリエーションは色々でその種類は300種以上
・アルコール度数は高めなので、ゆっくりと時間をかけて楽しむべき
ちなみに『bar cafca.』では「マルティネス」はもちろん、基本の「マティーニ」も味わえます。「マティーニ」と「マルティネス」、飲み比べて、昔と今の味の違いを楽しんでみるのも楽しそうですね。
(撮影◎島本絵梨佳 取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:bar cafca. (バー カフカ)
住:東京都港区南青山3-5-3 ブルーム南青山 B1F
TEL:03-3470-1446
営:15:00~24:00
休:火曜
※チャージ代1000円