「サウスアベニュー」の薬膳ブレンドと工芸茶(西荻窪)【2】【第6回 小みやげネタ帖】

気の置けない友人に、ちょっとしたお礼に。おいしくて財布に優しいうえに、お返しの気遣いいらず。差し入れ以上、贈り物未満のささやかな手みやげを“小みやげ(こみやげ)”と勝手に命名。関西出身ライターが日常遣いする、テッパンの東京みやげをご紹介します。

ネーミングも包装も楽しき、
薬膳ブレンドと工芸茶

「サウスアベニュー」の薬膳ブレンドと工芸茶(西荻窪)【2】【第6回 小みやげネタ帖】
“かぜに負けない茶”は2パック入り810円。ビタミンCたっぷりで、初期の風邪やのどの痛みに効果的だ。数が必要な場合は事前取り置きが確実。| 食楽web

 さて、「サウスアベニュー」で注目したい中国茶は、ジャスミン茶以外にもたくさんある。雑貨のようにセンス溢れるパッケージの茶葉が揃いぶみ、ここは“小みやげ”の宝庫なのだ。

 なかでも薬膳ブレンド“風邪に負けない茶”は、一番の売れっ子。ジャスミン茶に苦水バラ、乾燥させ2年間寝かせて薬効を高めたオーガニックレモン、かぼす陳皮、熟成ハイビスカスなどを入れたブレンドティーで、おいしくて、ビタミンたっぷりで身体によい、パッケージもかわいいと三拍子揃った名作だ。10個20個と“小みやげ”用に大量買いする人も多いそう。11月〜2月末限定販売なので、気になる方はお早めに。

 ほかにも“秋晴れ”など季節ごとのブレンドが登場、行く度に新しい出会いがある。また、“流星”、“カーネーション”、“プラスチックムーン”など、ロマンティックな名前の工芸茶も、ポットのなかで茶葉が美しく開く様子を眺めるのも楽しい。バラ売りはもちろん、かわいい包装のセットも充実していて、手みやげにうってつけだ。

 さらには、最近ではバラ茶“苦水(くすい)”にも力を入れており、かつてシルクロードの要衝だった蘭州にまで足を運んでいるそうだ。飲んだら美人になれそうだけど……うーん、柔らかなおいしさの中国紅茶も捨てがたい。

「これはあの人へ、これは自分用……」と迷っているうちに、気付けば手にはいろいろな茶葉が。中国茶と洋服&アンティーク、女性オーナーの「好き」で構成された小さくて素敵な、ちょっとおもしろい店。ゆるやかな西荻時間のなかで、小みやげをじっくり選んでいただきたい。

「サウスアベニュー」の薬膳ブレンドと工芸茶(西荻窪)【2】【第6回 小みやげネタ帖】
左から、売れ筋の黒糖マカデミア605円、工芸茶2個入りの西荻てみやげ648円、5個入り1,620円。レトロかわいい包装が女子にはたまらないのです。
「サウスアベニュー」の薬膳ブレンドと工芸茶(西荻窪)【2】【第6回 小みやげネタ帖】
特撰工芸茶の“クーアイ(中国語で「かわいい」の意)”は、白菊と千日紅が愛らしい印象。ゆっくり開く茶葉を見ていると豊かな気持ちになるから不思議だ。
「サウスアベニュー」の薬膳ブレンドと工芸茶(西荻窪)【2】【第6回 小みやげネタ帖】
流星、平和、スノー、ちょうちょ、ヨーロッパなど、ユニークなネーミングも要チェック。1個378円~。
「サウスアベニュー」の薬膳ブレンドと工芸茶(西荻窪)【2】【第6回 小みやげネタ帖】
茶葉やアンティーク、洋服に紛れて、なんとも和む置物があちこちに。ユル~い雰囲気がそこはかとなく西荻っぽい。
「サウスアベニュー」の薬膳ブレンドと工芸茶(西荻窪)【2】【第6回 小みやげネタ帖】
西荻窪駅から徒歩8分ほど。ちょっと不安になってきた頃に中国茶の看板が現れる。

●SHOP INFO

店名:サウスアベニュー

住:東京都杉並区西荻南3-22-6-102
TEL:03-3334-3768
営:14:00~20:00
休:木曜(新茶の仕入れのため春&夏期休業あり)
日持ち:「風邪に負けない茶」などの薬膳ブレンドは3か月、工芸茶は1年ほど
地方発送:可
ほかに購入できる店:恵文社一乗寺店、kit(共に京都)
https://www.southavenue.info/

●著者プロフィール

森本亮子

編集・ライター。『東京の手みやげ』(京阪神エルマガジン社)など、手みやげ関連のムック・書籍や雑誌企画を多く手がける。レストランや酒場、肉などの食をメインに、おいしいものと街と人をこよなく愛する関西人。錦糸町在住。