
旅慣れた人は「旨いものを食べたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこでB級グルメに精通する現役運転手・荒川治さんにイチオシのお店を教えてもらいます。
「死ぬ前に食べたいものは何ですか?」と聞かれることがあります。ですが、私の場合は、死ぬ前のことより「一生食べ続けたいもの」の方が先に浮かびます。その1つが、東京・板橋区役所駅のそばにある『つけそば周』の「つけそば」です。ここは知る人ぞ知る、まさに隠れた名店です。

私がここを知ったのは、同僚の運転手仲間に「煮干し系ラーメンが好きならぜひ食べてみて」と紹介されたのがきっかけ。最初に訪れたのは6~7年前です。当時も今と同じように行列店でした。最初に食べたのは「つけそば・極」(950円)。これは、大盛りの上の“極盛り”で、茹で前の麺量で600gです。ちなみに並は300g、大は450gあります。

登場した麺はツヤツヤ、ムチムチしていて、想像以上に“極盛り”に見えました。大食いの私でもさすがに多いかと思いましたが、この麺が、自家製麺で、モチモチ、ツルツル。噛むほどに旨みと甘みが感じられ、麺だけでも相当美味しいんです。
しかもつけ汁はポタージュのように濃厚&クリーミーで、煮干しの味がガンガンと押し寄せてくる。臭みやえぐみはまったくなく、じつにまろやかな味です。この日、感激して以来ハマってしまい、ルーティーンのように週1で通うようになりました。