王道の「かけ」、神髄の「つけ」

![「肉つけうどん」550円 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/11/20251116-shirasuudon04.jpg)
『白須うどん』のメニューは、温かい麺とつゆを味わう「かけ」、冷たい麺を温かいつゆにつけて味わう「つけ」の二種類。どちらも500円で、馬肉入りでも550円とリーズナブル。多く食べたい場合には替玉(200円)もあります。
麺とつゆの一体感をじっくりと味わうならば、「かけ」がオススメ。鰹出汁の効いたコクのあるつゆにコシの強いうどんが良く合います。麺そのものの味を堪能するならば、「つけ」を注文してみましょう。富士山の伏流水で締めることでコシが一層強くなり、これぞ吉田のうどんの真骨頂とも言える味わいですよ。
さらに卓上にある揚げ玉と、「すりだね」と呼ばれる自家製の辛味をお好みで加えることによって、味に深みが出てきます。
親子三代に渡る『白須うどん』の歴史

『白須うどん』の歴史は戦後まで遡ります。繊維業を営んでいた初代が麺の卸しを開始したのが始まり。その息子である先代が1978年に独立し、うどん店を開業。現在は娘婿である白須邦光さんが、三代目店主としてお店を切り盛りされています。
元々は会社員であった白須さん。会社員と並行して行っていた仕込みの手伝いをきっかけにお店を継ぐことを決意。2016年、先代の逝去を機に会社員を辞め、お店を一旦閉じることに。そこから2年半の修業を経て、2019年にお店を復活させることができたそうです。

『白須うどん』では全ての工程を手作業で行います。これは開業から一貫して変わらない点。中でも麺の仕込みは気の抜けない最も重要な工程。今でこそ全てを任されるものの、修業を始めた頃は、仕込んだ麺を全て義母に捨てられることもあったそうです。
「うどんは生き物なんです。全く同じように作っても、その日の天候や気温、コンディションや感情によっても全然違うものができる。毎日が試験ですよ」と白須さんは語ります。白須さんの修業に終わりはありません。
熱い想いをうどんに込めて

「先代の想いを受け継ぎ、吉田のうどんの味を後世に残していきたい」という想いを胸に、日々うどん作りに励む白須さん。老舗の伝統と味を守りつつ、地元ユーチューバーと共に吉田のうどんの魅力を全国に広める活動も精力的に行っています。
「これまでに何度も挫折することがあったが、地元の常連客がいつも支えてくれたおかげで乗り越えることができました」(白須さん)
感謝の心を忘れることなく、絶えず挑戦し続ける不撓不屈の精神には感動すら覚えます。白須さんの熱い想いが込められた渾身の一杯、ぜひ味わってみて下さい。
(撮影・文◎橋田 直幸)
●SHOP INFO
白須うどん
住:山梨県富士吉田市上吉田東6−1−44
TEL:0555-22-3555
営:11:00〜15:00(麺がなくなり次第終了)
休:日曜
https://www.instagram.com/shirasu_udon.fujiyoshida/
●著者プロフィール
橋田直幸
静岡県出身。2級フードアナリスト。静岡県及び山梨県の環富士山地域の食情報を発信するグルメインフルエンサー。吉田のうどんについては特に造詣が深く、「吉田のうどんマイスター」としても活動中。食のイベント支援やご当地食材を使ったレシピ監修も手掛ける。 https://www.instagram.com/naoyuki_glorious20/
●<橋田さん記事>富士吉田の他のグルメをもっと見る
ホットスポットの街で味わうモーニング。朝から並んででも食べたい『富士吉田金精軒 富士茶庵』の和朝食






