
●相模原市で世代を超えて愛されている『オギノパン』の揚げパンの人気の理由を探りました
神奈川県相模原市を代表する老舗ベーカリー『オギノパン』は、相模原市緑区にある本社工場を構え、かつて東京都調布市を含む約200校に給食パンを届けていたという歴史を持つベーカリーです。

現在は学校給食用のパンは製造していないものの当時の味を知る人々にとって、『オギノパン』は懐かしさそのもの。相模原市にはオギノパンで育ったという世代も多く、今も変わらず子どもから大人まで幅広く愛されています。

看板商品の「あげぱん」は、注文を受けてからおよそ1分で揚げたてを提供するので、いつでも出来立てほかほか。価格は150円と手頃ですが、揚げ方や砂糖のつけ方一つにもしっかりこだわりを感じられる味わいです。

外はカリッと、中はしっとり。表面にまぶされたグラニュー糖がほのかに溶け、柔らかな甘さが幸せ! かつて給食で親しまれた懐かしの味をできたてのスタイルで楽しめるのが魅力です。

温かい「あげぱん」を手にしながら工場見学へ。パンの製造がおこなわれている工場は窓ガラスが大きく、外からいつでも自由に見学することができます。特に製造ラインが動いている午前中の見学がおすすめとのこと。

長いオーブンで次々に焼き上がるパン、らせん状のコンベアでゆっくりと冷ましていく工程など、その一つひとつが見応えたっぷり。通い慣れた地元の子どもたちの中には、「今、あのパンを焼いている」と種類までわかるほどだとか! 夢中で観察する小さな常連さんの姿を想像すると、なんとも愛おしくなります。

直売所にはあげぱん以外にも魅力的なパンがずらり。「どうぶつクリームパン」には、濃密なカスタードがたっぷり入っていますし、「おやき(きんぴら)」にも具材がしっかり詰まっていて、どこを食べても具がちゃんと顔を出すのがうれしいところ。

そして、もうひとつ印象的なのは、コッペパンのサイズにも成長があるということ。揚げパンに使われているコッペパンは小学校1年生向けのサイズで、単品のコッペパンは中学3年生が食べるくらいの大きなサイズなのだそうです。
![カレーパンやあんぱんも人気[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/11/20251108ogino09.jpg)
当時はまったく気が付かなかったですが、実は成長に合わせて給食のパンの大きさが変化していた、そんな話を聞くと、子ども時代って、たくさんの大人から気にかけられて育ってきたんだなぁと感慨深く思いました。

学校でよく見るイスが並ぶテラス席では、購入したパンを食べることも。一口頬張れば、ほっこり、やさしい気持ちになれる街のベーカリーです。

(撮影・文◎亀井亜衣子)
●SHOP INFO
オギノパン 本社工場直売店
住:神奈川県相模原市緑区長竹2841
営:9:30〜17:30(季節により変動あり)
休:無休(元旦を除く)
TEL:042-780-8121
https://ogino-pan.com





