
「神社コロッケ」は群馬県伊勢崎市では70年以上も前から愛され続ける、まさに”ソウルフード”なのです。
「神社」と「コロッケ」、一見ミスマッチなこの組み合わせ。全国的には無名でも、県民のDNAに刻まれたその「謎グルメ」。
知らずにいるのは、あまりにももったいないかもしれません。その驚きの正体と、一度食べたら虜になるという魅力の秘密に迫ります。
なぜ「神社」? そこには戦後日本の”感動秘話”があった。

この不思議なコロッケが誕生したのは、戦後間もない1950年頃。「子どもたちにお腹いっぱいになってほしい」という一心で、ある夫婦が伊勢崎神社の前で屋台を始めたのがルーツだそうです。
じゃがいも、青のり、小麦粉というシンプルな材料で作られた、薄くてモチモチのコロッケは、たちまち子どもたちの間で大人気に。「神社で売っているコロッケ」だから「神社コロッケ」。その名の裏には、子どもたちを想う温かい愛情が込められていたのです。

一時は店主の他界で姿を消したものの、「あの味を絶やしたくない」と地元の人々が立ち上がり、その味は市内の惣菜店や飲食店へと継承されました。
テレビ番組で紹介されたこともあり、今や伊勢崎、いや群馬を代表する名物グルメとして、世代を超えて愛され続けています。