
●池袋から特急で約80分。近年観光地としての知名度が上昇中の埼玉県秩父地域。古くから栄え、山に囲まれたこの地域は独自の食文化が色濃く残る街。そんな秩父の地元グルメを紹介するシリーズです。
現代において「お寿司」といえば「握り寿司」のことを想像するかと思いますが、秩父地域で年配の人は握り寿司のことをわざわざ「生(なま)寿司」なんて言ったりします。その昔、物流が今ほど発達しておらず新鮮な生魚が貴重だった時代の名残なのではないかと考えられますが、秩父地域における代表的な「お寿司」として昔から広く浸透している「いなりのりまき寿司」の有名店の一つ、武島家に行ってきました。
100年以上続くいなりのりまき寿司の専門店

西武秩父駅方面から秩父神社へ向かう表参道「番場通り」は休日ともなると観光客が賑やかに歩いています。武島家はその途中の路地をちょっと曲がった先にあります。
お店に入るとお持ち帰りメニューが掲示されていて、「のりまき6個いなり2個」「のりまき5個いなり3個」など細かく個数を変えたセットを選ぶことができます。いなり1個120円、のりまき1本550円からの単体注文もできます。

気軽な気持ちでお店に入って家族構成やお腹具合に応じて、その場で個数を決めようとすると冒頭から迷子になってしまいます。
「お父さんは沢山食べるけど朝ごはん遅かったからこの時間ならいなり寿司は2個で充分かな、のりまきは6個かな、お母さんは少な目で大丈夫だから子どもとシェアして、このセットとこのセットにすると、あれ?ちょっと多いか、、」
小さい子供のいる家族で行く場合などはいなり・のりまきの個数はあらかじめシミュレーションしていった方が良いかもしれません。美味しいのでついついもう一つ、なんてことも想定しておかなければいけないのでいなりとのりまきの組み合わせだけ、と侮ってはいけません。大胆かつ緻密な計算が必要となる場合があります。