人生で一番感動した大阪の小さな町のケーキ屋さん『Patisserie face』の生ケーキ

　洗練されたグルメやファッションであふれる大阪・南堀江。オシャレな雑貨や素敵なカフェを眺めながら、目的がなくても、ふらり街歩きの楽しい場所です。

　そんな南堀江で見つけた、千代崎橋の手前にある町のケーキ屋さん『Patisserie face』。たまたま通りがかりに、ショーケースを見つめると、遠目からでも丁寧に作られているのが伝わる美しいケーキが並んでいました。

　とたんに目が離せなくなり、体が吸い寄せられるように店に向き、気が付いた時には「あの、すみません」と口についていました。オーナーさんは、『リーガロイヤルホテル』で経験を積んだ実力派で、独立後にこのお店を開いたそう。

　興味が湧いて、あれもこれもと質問するほどに、どのケーキにするかもっと迷ってしまいました。だって、どれも魅力的なものばかりだから。

　頭を悩ませつつ、「そうだ、家族へのお土産にすれば良いじゃない」といくつか購入して帰ってきました。

「スペリオーレ」は、しっかりぎっしり食べ応え大満足のチョコケーキ。軽やかなクリームにカカオのほろ苦さが絶妙で、鼻腔を抜ける香りにもうっとり。

　こちらは、タヒチ産のバニラを使用したティラミス。先ほどと同様、スムースですっきりとしたクリームに、コーヒーをしみ込ませた濃厚なスポンジの相性がいい。最後まで飽きずに楽しむことができます。

　3種の中でマイベストが「アンシャンテ」。超ミルク＆超クリーミーで口溶けなめらかなチーズケーキです。タルト生地は甘さ控えめで、フィナンシェのようにしっとり。バターの風味やリンゴジャムが重なり、チーズの濃厚さとのバランスが神です。

　どのケーキも、口溶け、味の重なり、香りの広がり、すべてが緻密で繊細。オーナーさんのセンスが光るパーフェクトなケーキを楽しめました。

　本当においしくて、すべての種類を制覇したくなりました。お出かけが楽しみになる素敵なお店、久しぶりの大発見でした。（ライター・香月かおり）