ラーメン官僚が太鼓判を押す千葉県の本当に美味しい店。茂原市の『元祖・房総らーめん520』

千葉東部らしい煮干しの名杯『元祖・房総らーめん520』

『元祖・房総らーめん520』のロケーションは、JR外房線・茂原駅から徒歩約10分
『元祖・房総らーめん520』のロケーションは、JR外房線・茂原駅から徒歩約10分

 店主・小島氏は、30歳で美容師からラーメン業界に参入し、2016年6月、茂原市にて、「ガッツリ系ラーメン」を主力商品とする『ら~めんコジマル』を開業。同店を、茂原を代表する人気店にまで育て上げ、「中房総」ラーメンシーンの活性化に多大な貢献を果たした〈東部〉エリアを代表する名ラーメン職人のひとりだ。

『元祖・房総らーめん520』は、そんな同氏が、満を持して世に送り出したニューブランド。提供するのは、地元・九十九里産の煮干しを用いた1杯。麺メニューのラインナップは、「房総らーめん」、「煮干し中華そば」、「昆布水つけ麺」など多岐にわたるが、どれか1杯を選んでほしいと言われれば、私は店名の一部を冠した「房総らーめん」を薦めたい。

房総らーめん
房総らーめん

 九十九里産のカタクチイワシと国産鶏の胴ガラを絶妙なバランスでブレンドし、丁寧に炊き上げた出汁に甘辛いカエシを重ね合わせたスープは、イワシ・鶏・醤油の三者が舌上でピタリと融合し、ワンランク上のうま味を紡ぎ出す、会心の出来映え。

 他エリアにおける同系統のラーメンと比較して、醤油の存在感をより鮮やかに浮かび上がらせるなど、「醤油っぽさのある醤油ラーメン」を好む房総エリアの嗜好にマッチした味わいに仕上がっている点も、称賛に値する。

 幾度も試作を重ね比類なきモッチリ感を実現した麺や、磯の香り豊かバラ海苔など、スープ以外のパーツにも、一切の手抜かりは見当たらない。

 〈東部〉らしい地域性を丼の中にしっかりと落とし込み、かつ、1杯の「煮干しラーメン」としても極めてハイレベル。ラーメン好きであれば、絶対に押さえておきたい優良杯だ。

●SHOP INFO
店名:元祖・房総らーめん520
住:千葉県茂原市高師町3-11-6
TEL:047-38-7825
営:11:00〜14:30、18:00〜21:00
休:木曜

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。