ベルの合図でディナーへ。芸術的なダイニングで味わう伝統の料理
![アルプス館1階のメインダイニングルーム [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/12/20241220-manpei13.jpg)
17時半になると、メインダイニングルーム前で、ディナーのスタートを知らせるベルの音色が響きます。さあ、お楽しみの食事タイムの始まりです。
会場はまるで、古き良き時代の社交場。ダンスホールとして使われていたこともある空間には、アイコン的な存在のペンダント照明、開業当時の軽井沢を描いたステンドグラス、格天井の美しさに圧倒されます。

万平ホテルの滞在に欠かせない、ディナータイム。普段体験できない優雅さと料理との出会いに、鼓動が高鳴るのを感じます。
クラシックホテルの料理の伝統と革新

いただいたのは、地産地消を取り入れたシグネチャーコース「けやき」。ペアリングのワインをいただきながら一皿一皿、大切に味わっていきます。
リニューアルに伴い、新料理長に就任したのが、フランスの星付きレストランをはじめ、数々のレストランで料理長などを務めてきた大橋 進シェフ。重厚感あふれるクラシカルフレンチの伝統を受け継ぎつつ、地産地消の食材、豊かな香りを取り入れて、軽やかな味わいを引き出しています。
例えば、最初に味わった冷前菜「信州サーモンとクレソンのタルタル ベアルネーズソース」。スタートからその軽やかな一皿に感激。継承してきたベアルネーズソースに、ハーブの香りがアクセント。箸休め的なトップのハーブ、ブルーベリーの合わせ方。一皿に豊かな香りと味わい、驚きが隠されていました。
「サーモンのタルタルにブルーベリーが合うの? と思いながら、おおっ! と馴染んでいく。添えられたレモンを噛んでもらうとまたワントーン、味が変わる。ソースを合わせながら味わっていただきたい」と大橋料理長。

ソースなどをうまく組み替えながらも、ファンの方々の舌を満足させる伝統の味を守ること。それはホテル全体のリニューアル同様、難解で複雑、そして愛のあるチャレンジであるな、と一皿一皿からひしひしと伝わってきました。

大橋料理長に今後についてちょっと伺ってみました。
「私はまだ入って3、4ヶ月ですが、裏で働いているスタッフは20年、30年と万平ホテルの料理を支えてきた人たち。私が色々と変えるのではなく、昔からいるスタッフにテーマを与え、これから50年先を見据えたヒット作を作り上げたとき、万平らしくも新しい料理が生まれるのではと思っています。
今まで継承してきたことを少しずつ組み替え、積み重ねていくことで、訪れた人に相変わらない味、美味しいものがあると思ってもらえたら良いですね」
食後はクラシカルなバーでカクテルを

食後にバーで過ごすのも、ホテステイならではの楽しみ。オーセンティックなバーで、柔らかな照明の光に照らされながら、美しくもジューシーなカクテルを一杯。
まるで映画のワンシーンに没入したようなムーディーな気分。一人もいいけど、大切なあの人と目配せさせながら味わってみたいなんて思いながら、じっくりと、時にバーテンダーと会話しながら過ごすのも忘れられない思い出になります。
このあとはお部屋で柔らかなパジャマに着替えて、くつろぎながらお酒の続きを楽しむのもいいかも。明日の朝のモーニングも楽しみに、満たされた夜が更けていきました。
※万平ホテルのモーニングの様子はまたご紹介します。お楽しみに!
(撮影・文◎草地麻巳)
●DATA
万平ホテル
https://www.mampei.co.jp/