道の駅でズガニを堪能しまくる!

伊豆半島のど真ん中、沼津から下田まで伊豆半島を南北に貫く伊豆縦貫道。ここは有名な天城峠に阻まれ、いまだに貫通していない道路です。東名の沼津ICから始まり、開通済みである区間の終点は月ケ瀬IC。ここに『道の駅 伊豆月ケ瀬』は隣接しています。ここで道が終わっているわけなので、駐車場に停まっているクルマは、すべて等しくこの道の駅に来るためだけにやってきていることになります。
筆者の目的はズガニなので、さっそく食堂『月ケ瀬テラスキッチン』へ。天井が高く、大きな窓に囲まれた、開放感のあるおしゃれなレストランです。昼過ぎということもあり、すでに人でいっぱい。2024年は10月14日に漁が解禁されたばかりのズガニのメニューをチェックすると、カレーや麺があるようです。残念ながら今回は「ズガニカレー」は売り切れだったので、「ズガニうどん」と「ズガニラーメン」を注文することに。

このレストラン、外にテラス席もあるのですが、ここが最高。目の前にはさっき車で通ってきたばかりの縦貫道の巨大な高架路があり、足元には美しい狩野川が流れています。山と川、森の緑と青い空、そこに不思議と調和してそびえ立つ縦貫道のアーチ。まさに絶景です。川のせせらぎと鳥のさえずりをBGMに、ズガニ料理の完成をのんびり待ちます。

待つこと15分ほど番号が呼ばれました。うどんを取りに行くと、そのビジュアルにびっくり。まさに“映え”のひと言! 麺の上に蟹が一パイまるごとドカンとのっかっています。上海蟹は蒸すか茹でるかが一般的なので、こんな食べ方は見たことがありません。
聞けば、もともと伊豆ではモクズガニを殻ごとすりつぶして汁料理にする文化があるらしく、身はもちろん、ミソから殻に至るまで、カニのエキスを余すことなく汁にとじこめて食すのが当たり前なんだそう。蟹ダシのスープにまるごとカニがドーンと入ったうどん。なんとも贅沢な一杯です。

うどんのスープを一口いただくと、上品な蟹の香りがグイグイ迫ってきます。味わいは奥深く、とても繊細。後味にもふわりとカニの香りが漂います。うーん、ウマい! 具のキャベツとかぼちゃが素朴で素敵です。
途中、カニのパンチが欲しくなったら、トッピングされたカニそのものを楽しめばOK。海のカニと比べて可食部は少ないけれど、ミソはそれを補って余りある濃厚さ。「面倒くさい」なんて言わないで、ゆっくり解体してミソをチューチュー楽しむべし。
![「ズガニラーメン」2280円。カニ味噌×ご当地の味噌でものすごく濃厚[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/10/20241019-tsukigase06.jpg)
うどんと一緒に頼んだラーメンは、ご当地・伊豆のお味噌とズガニの風味がしっかり感じられるこれまた極上の一杯。追いご飯付きで最後の一滴までスープを楽しめるのもうれしいポイント。筆者的には、このスープの味は米のほうが合うんじゃないか、とすら思いました。いや、大満足です。
ちなみにこのズガニシリーズ、完売次第、そのシーズンは食べられなくなります。公式HPでズガニメニューの有無をチェックしてからお出かけを。
ズガニ以外の料理もめちゃくちゃ美味しい

ズガニの美味しさ、少しは疑似体験いただけたでしょうか。ちなみにこの『道の駅 伊豆月ケ瀬』には、“清流の女王”と称され、伊豆の名物でもあるアマゴの串カツがのった「あまご串カツカレー」もあります。
カレーにはアマゴのアラから抽出したダシが入っているそうで、ものすごく美味。蟹アレルギーの人にはこちらがオススメ。これ以外にもいくつかアマゴ料理があり、全制覇したくなってきますね。

伊豆といえば海鮮や干物などの海の幸、わさびやジビエなどの山の幸が有名ですが、実はズガニにアマゴといった川の幸のレベルもめちゃくちゃ高いことが改めてわかりました。
おまけ

最後に、『道の駅 伊豆月ケ瀬』でぜひ〆のデザートとして食べてほしいのが、伊豆市のお土産の定番「猪最中」がのったソフトクリーム「猪最中ソフト」です。
可愛すぎるイノシシがソフトクリームの上にちょこんとのっかった姿は、つい写真に収めたくなること間違いなし。香ばしいパリパリの最中に、ツヤツヤの小豆餡、濃厚なミルクソフトのハーモニー、もうたまらん!
それと、お菓子コーナーにある『響屋(きょうや)』さんフロランタンがあまりに美味しくてびっくり! 温かみのある優しい手作り感が最高。思い出すだけでもう一度食べたくなる……。これは見つけたら即買い推奨です!
(撮影・文・イラスト◎ワタナベマキコ)
●DATA
道の駅 伊豆月ケ瀬
住:静岡県伊豆市月ケ瀬78-2
アクセス:国道414号沿い。伊豆縦貫自動車道天城北道路「月ケ瀬IC」に隣接