
●この連載は、独断と偏見で「遠くないうちに絶滅してしまうかもしれない」昭和の素晴らしい文化を守るお店を巡り、その魅力を記録するグルメ探検記です。
昭和という時代に根付いた店々は、時の流れに逆らいながら、今なお変わらぬ情景や味わいを大切に守り続けています。そんなお店たちを訪ね、時代を越えて受け継がれているものを書き留めていきます。2025年、昭和100年を迎えます。
大口のタイムカプセル、町中華

最初に足を運んだのは、私の住む街、神奈川県・大口。大口は、ディープな魅力が詰まった場所で、通りにはどこか懐かしい昭和の香りが漂っています。
いつも気になっていた一軒のお店。まだ一度もドアを開けたことがないけれど、その佇まいからは、時が止まったかのような雰囲気を感じます。ドアを横に引くと、目の前に広がったのはまさに子供の頃に見慣れた風景、昭和そのものです。畳の上に丸いテーブル、黄色いメニュー、色味のコントラストが完璧です。

昭和43年創業のお店は店内に足を踏み入れると、まるでタイムリープ。空気が一気に昭和に戻ったかのように感じます。