ひんやりモチモチ!素朴な「しがらぎ」

テイクアウトが中心のお店ですが、イートインスペースもあり、作りたての和菓子をお茶と一緒にいただけます。店内は昔から変わらない昭和レトロな佇まい。温かいお茶を飲みながらのんびりしていると、お目当ての「しがらぎ」が運ばれてきました。

洗ったもち米を筒状の袋に入れて蒸し、ひと晩冷やしてたこ糸で切ったもので、昔から関西で食べられている夏のお菓子なのだとか。ちなみに、「しがらぎ」という名前は、ザラッとした表面が信楽焼きに似てることからつけられたと言われています。
大阪で生まれ育った筆者ですが、名前を聞くのも食べるのも初めて。というのも、最近では作っているお店が少なくなっているそうです。
ツヤツヤとしたもち米の上には、たっぷりの粒あんときな粉がかかっています。間違いないビジュアルに、思わずおいしそ〜と声を漏らすと「おいしそうじゃなくて、おいしいの!」と店員さん。老舗の誇りが感じられます。
![しがらぎはテイクアウトも可能 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/05/20240602-deirikintuba04.jpg)
一口食べてみると、お米の甘味とつぶつぶ食感が楽しめて、まるで冷たいおはぎのよう。きな粉は香ばしく、ほんのりと優しい甘さです。粒あんは豆の形がしっかり残ったホクホク食感で、塩気が効いています。
店員さんにおいしさの秘訣を聞いてみると「小さい和菓子屋さんはあんこを作らないところも多いけど、うちは全部手作り。北海道産の小豆を奥の釜で炊いています」とのこと。
食べている途中、何度も「お茶足りてる? 入れてあげよか」と声をかけてくださり、田舎の祖母の家に遊びに来たかのようにリラックスできました。
昔ながらの製法で作る「きんつば」をお土産に

多い日は2000個以上売れることもある、名物の「きんつば」を買って帰ることに。1個から購入でき、10個からは箱に入れてもらえます。平日の昼間に訪れたにもかかわらず、ひっきりなしにお客さんが来ていて、中には30個購入している方もいました。
釜でじっくり炊いた小豆に寒天を加えて固め、表面に生地をつけて1つずつ丁寧に焼き上げた「きんつば」。店先の鉄板でリズミカルに焼いている姿は圧巻です。余計なものを一切入れずに作っているため、賞味期限はその日限り。余ったときは冷凍すると良いそうです。

薄いもっちりとした皮の中に、甘さ控えめの粒あんがぎっしり。こちらも塩気が効いていて、小豆本来の風味が引き立っています。3口くらいで食べられる小ぶりなサイズ感なので、ちょっとしたお茶請けにぴったり。手土産におすすめですよ。
調査結果
関西で古くから親しまれている「しがらぎ」と「きんつば」。昔ながらの製法で、丁寧に手作りしているからこそ出せる味に感動しました。90年を超える歴史の中で大切に守り継がれた味わいを、ぜひ一度堪能してみてください。
(撮影・文◎安達春香)
●SHOP INFO
店名:出入橋きんつば屋
住:大阪府大阪市北区堂島3-4-10
TEL:06-6451-3819
営:月~金 10:00~19:00(L.O.18:00)、土 10:00~18:00(L.O.18:00)
休:日曜・祝日