![[FOODEX JAPAN 2024]EUと日本の食材が相性抜群の理由をEU大使に訊いてみた](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/03/20240322eu01.jpeg)
美味しそうなチーズの上には愛らしいEUの旗が――。今年3月に開催されたFOODEX JAPAN 2024に出展したEUパビリオンでの光景です。実は2018年から「ヨーロッパ食材と日本食材のマッチング」をテーマに出展を続けているEU。2019年にEU・日本経済連携協定(EPA)が発効されて以降は、EU諸国からの食材の輸入が順調に増え、現在では街中のスーパーやデパ地下などでも、これまで入手が難しかった食材を見かけるようになりました。

今年の出展テーマは、昨年に引き続いて「EU食材と日本食材のパーフェクトマッチ」。パビリオン内には、テーマごとに6つのブースが設置され、チーズや生ハム、オリーブオイル、ワイン、グラノーラなどEU各国の農産加工品がずらり。それぞれ試飲や試食も可能で、EU食材のレベルの高さを自分の舌で確認できます。

また、会期中には日欧の著名シェフによるクッキングショーなども実施。実際に作られた料理の数々を通して、EU産食品や飲料などの素晴らしさや多様性、さらに日本の食材や料理との相性の良さがアピールされました。

「EUと日本は、製品づくりにおける価値観や食文化まで相性抜群!」
まさに“EUの食の博覧会”とも言える、充実した展示会となった今回のEUブース。日本におけるEUの代表である、ジャン=エリック・パケ駐日EU大使に、出展の目的や日本市場の重要性、さらにEU食材と日本食材の相性についてさまざまな話を伺うことができたのでご紹介します。

今回も日欧食材のパーフェクトマッチというコンセプトでの出展となりました。
パケ駐日EU大使:まず訴えたいのがEUの農産物がこの日本の食文化と食材、そして食事にパーフェクトに合っているということです。クッキングショーでも実証したのですが、お互いの食材が補完しあっている形で素晴らしく相性がいい。お互いの食文化を結ぶことができるよう取り組んでいます。
具体的にどういった点に相性の良さを感じますか?
パケ駐日EU大使:EUの製品づくりのコアとなる考え方、「本物」「正当性」「品質」「持続性」「安全性」を重視している点などです。その考えをベースに、今回は27の加盟国が350以上の食材を紹介しています。
またEPAのおかげで、EUと日本の貿易もやりやすくなっています。小売業者や消費者の方もそう感じているのではないでしょうか。
EUとのEPA発効から5年目という節目の年でもありますね。
パケ駐日EU大使:EPA発効前と2022年の数字を比べると、EUからの輸入がおよそ30%増加しました。政策的な後押しもありますが、これは日本の皆さんがEUの食材に興味を持っているということに他なりません。また原産地呼称保護(PDO)や地理的表示保護(PGI)などのEUの厳密な品質保証制度ができたことも要因の一つと考えられます。価格的にも手頃になり、手軽に入手しやすくなったというのがEPAの最大のインパクトだと思います。

今後の展望を教えてください

パケ駐日EU大使:今後はますます、EUの企業と日本の企業がパートナーシップを結ぶようになると思います。一方で、今年は48の地理的表示保護(PGI)が追加されました。EU有機認証マークと合わせ、今後はさらに増えていくと思います。
また、逆に日本からの食材もEUの消費者がさらに入手しやすくなると思います。EUと日本の市場は今後もますます大きくなっていくことでしょう。なぜならお互いの食材が「パーフェクトマッチ」だからです。
最後に読者へメッセージをお願いします
パケ駐日EU大使:EUはもちろんですが、世界の食文化を体験していただければと思います。その中でもとくにEUと日本の食文化はパーフェクトマッチですので、ぜひお楽しみください。日本に赴任して1年半経ちますが、改めてEUの食材の魅力を実感しています。もちろん、日本食も大好きなんですよ!(笑)

EUと日本の食材との相性の良さを、このように熱く語ってくれたジャン=エリック・パケ駐日EU大使。今後はどんなEUの食材が日本で味わえるようになるのか、ぜひ期待したいところです。
(撮影◎上野愛黄)