
●宮崎県は黒毛和牛の産地。「全国和牛能力共進会」にて、最高賞の内閣総理大臣賞を史上初の4大会連続で受賞しています。現地取材で美味しさの秘密に迫りました。
令和4年度ふるさと納税受入額日本一の宮崎県。大きく貢献しているのが、日本最高峰の黒毛和牛「宮崎牛」です。5年に1度開催される「全国和牛能力共進会」にて、最高賞の内閣総理大臣賞を史上初の4大会連続で受賞と、実質20年間も品質を保ち続けているのです。
宮崎牛になるにも厳しい条件があり、宮崎県内で生まれ育っていることを前提に、『日本食肉加工協会』が定める肉質等級が4、5等級(A4、A5)であること、宮崎県の種雄牛が父牛であることなどをクリアして、ようやく「宮崎牛」に認定されます。

まず牛舎を訪れて驚いたのは、清潔さです。敷料をこまめに変えたり、追加したり、デリケートな仔牛が育ちやすい環境を整えているそう。与える飼料には自家栽培のものも混ぜ、子育て中の母牛と子どもは同室で健やかに育成されています。

「この牛は食べっぷりが良いなぁ」と期待していても、肉等級がA4等級以下だったということもしばしば。宮崎牛に認定されるかどうかは、食肉として解体(屠畜)されるまでわからないそうです。それでも血統を守り、のびやかに、丁寧に育て上げるということが、脈々と続く宮崎牛の伝統を守り続けることにつながっているようです。
一つの畜産農家だけでなく、宮崎県内のすべての畜産農家が一つの思いと目標に向かって努力しているからこそ、4大会連続受賞が実現しているのでしょう。
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『飯盛農場』の場合は若い後継者のいる貴重な畜産農家ですが、後継者不足は全国的な課題です。宮崎県内でも担い手が少なく、宮崎牛の認定条件がシビアなため新規就農も難しいのが現状だそうです。
そこで将太さんは休みなく働く畜産農家の休暇を促し、新たな担い手の育成をも手掛けるヘルパー事業を起こし、全国青年農業者会議にて最高賞の農林水産大臣賞を受賞。宮崎県から全国に向け、日本の畜産業の将来を見据えた事業を行っています。こういった若い世代の畜産農家の努力も宮崎牛日本一の生産基盤として必要不可欠であると感じました。