『大三元酒楼』の「肉まん」はクラシカルな上海スタイル

続いて、南門シルクロードの一角にある『大三元酒家』。こちらは上海式中華料理の名レストランとして、地元民の間で有名なお店。ややアクセスが難しい場所に位置しながらも、常にコアな人気を誇っています。

こちらも自家製の肉まんがイチオシです。店頭には作りたての包子類がズラリ。どことなく家庭的な印象です。

いざ蒸して食べてみると、生地のふわふわ感は今回食べた3つの中でダントツ。さらに、肉がギッシリ詰まっているのに柔らかい餡も最高で、「これで1個300円?」と疑いたくなるほどの美味しさ。
価格設定や味わいに、『大三元酒家』の家庭的な良心を強く感じました。横浜中華街の自家製肉まんでは、イチオシしたい一品です。
【おまけ】肉まん製造休止中ながら超オススメの店とは?

実は今回の取材で候補に挙げ、ぜひ行きたかったお店があります。それが『萬来亭製麺所』。その名の通り製麺所で、入り口の奥に製麺機が見え隠れする工場です。
かつて筆者はここの肉まんが好きでよく購入していましたが、取材時はなんと「今、肉まんやっていない」とのこと。しかし、ここの粉モノはとにかくウマい。自家製麺や餃子、ワンタン、焼豚などが販売されています。

ただし、この『萬来亭製麺所』では、店員が常駐している時間が限られているようで、スタッフがいないことがよくあります。しかしご安心あれ。そんな時は『萬来亭製麺所』の目の前にあるレストラン『萬来亭』のスタッフに声をかければ、「はいはい。何がほしいんですか?」と、製麺所のほうに来てくれます。
この点、慣れないと迷うかもしれませんが、臆することなく目の前の『萬来亭』を訪ね、持ち帰り商品を買いたい旨を伝えると良いと思います。
ちなみに今回、肉まんは買えなかったものの、『萬来亭製麺所』の「ストレート麺」を購入。ラーメンにしていただきましたが、本格中華でよく使われるコシのある麺で、こちらも美味! スーパーで購入する麺と大差ない価格なのに、めちゃくちゃウマい。さすが製麺所の直売品です。ぜひゲットしてみてください。
まとめ
今回ゲットした横浜中華街の工場直販&自家製肉まんは、各店とも味の方向性はまるで違う一方、いずれも作りたてで美味。中華街大通りの大型店の店頭で販売されている肉まんも美味しいですが、とにかく行列するので買いにくいのが難点。
より各店の個性を求めるなら、工場直販&自家製肉まんを買い求めましょう。そして、その工場や自家製の店は、裏通りにあることが多く、探検気分で巡るのもまた楽しいです。
(取材・文◎松田義人)